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天国に届け!
「私のクイール」手紙大募集! |
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優秀賞 |
天国に届けクイールへの手紙 |
千葉県千葉市 五十嵐敬也(ひろや)くん(12歳) |
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はじめましてクイ―ル、お元気ですか。ぼくはクイ―ルの本を何度も読みました。感動した場面はたくさんあるけれど、一番印象に残ったのは、クイ―ルの最期の場面です。盲導犬は何度も別れを体験すると聞いて、とても切なくなったけれど、最期の別れは本当にすごく悲しかったでしょう。ぼくは、去年の秋の出来事を思い出しました。ぼくのひいおばあちゃんが亡くなった時の話です。
その前日、ひいおばあちゃんの調子が急に悪くなったので、ぼくたちは千葉から長野県松本市の病院に駆けつけました。おばあちゃんはアルツハイマーでずっと寝たきりでした。その日も入院先のベッドに静かに横たわっていました。行ってみると、思っていたより元気で「大丈夫かもしれない」と思いました。そして、急に目を開いてみんなの顔を順番に見たのです。ぼくもちゃんと目が合いました。
クイ―ルは最期みんなの顔を見て、ぎりぎりまでがんばりました。そして穏やかな表情のまま息を引き取りました。ぼくのひいおばあちゃんもそっくりだったのです。みんなの顔を見てぎりぎりまでがんばってから、静かに目を閉じました。ひいおばあちゃんは犬が好きでした。だからクイール、天国でぼくのひいおばあちゃんと一緒に遊んで下さい。
それからぼくは去年、総合学習で盲導犬の事を調べました。調べているうちに盲導犬に会ってみたくなって、あちこち探しました。そして「リッキー」という盲導犬とお友達になりました。リッキーも白のラブラドールレトリバーで岩井栄子さんのパートナーです。読んでいるうちに、何度もクイ―ルとリッキーが重なり合いました。クイ―ルは今天国にいるけれど、クイールの後輩たちは、ちゃんとクイールの跡をついで立派にがんばっています。安心して下さい。
ぼくはこの本を読んで、心に残ったことがあります。それは「希望」です。クイ―ルとクイールを支えたまわりの人たちは、たくさんの人に、生きていく希望、がんばり通す希望を与えてくれました。ありがとうございました。
今、世界中は決してすべてが平和とは言えません。今日もどこかで戦争が続いています。飢えている人や、痛みをがまんしている人もいます。貧しくて、今日も路上に眠る子どもたちもたくさんいます。
天国にいるクイ―ルにお願いがあります。世界中の人々の「心の盲導犬」になって下さい。いつでもたくさんの人たちに、希望を与え続けて下さい。いつまでもそこで、みんなを見守っていて下さい。ぼくのひいおばあちゃんたちといっしょに・・・。 |
■入賞作品■
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