INTERVIEW#04
Number編集部本田 祐也
私の入社理由
「楽しそう」な仕事ができると確信
興味の赴くまま、いろんなことをつまみ食いしてきた私にとって、あれもこれも仕事にできる雑誌編集者の仕事は「楽しそう」に見えました。そんな時に古本屋で見つけた古い「Number」を読んで衝撃を受けたことを覚えています。20年以上経っても古さを感じさせないかっこいいビジュアルと読み応えのあるテキスト。もともと好きだった雑誌の色褪せない魅力に気づいた瞬間、これに携わりたいと強く感じました。
最初は、週刊誌や分厚い月刊誌を出している文藝春秋のイメージと「Number」が結びつかなかったのですが、就活中にある社員が語った「人間への興味」という言葉を聞いて見えなかった糸が見えてきました。思い出されたのは、古本屋で読んだ1996年の野茂英雄のノーヒットノーランの記事。大記録よりも人間を中心に据えた「Number」を文藝春秋が作っているのは必然だったのです。「楽しそう」な仕事はここでできる、そう確信して私は文藝春秋の門戸をたたきました。
今の仕事について


現在までの経歴
- 2022.03月 入社
- 2022.04月 Number編集部
今の仕事について
雑誌「Number」の編集者として、企画の立案、取材のセッティング、撮影の立ち合い、写真のセレクト、レイアウトのディレクション、原稿のチェックなど、ページが完成するまでのほぼすべての業務に携わります。その他、時期や内容などを鑑みて「Number Web」に掲載した方が良いと判断すればナンバーウェブ編集部に企画を出したりしています。
現在の仕事のやりがい
私が配属されてから、サッカーW杯での大金星、ドラマチックすぎるWBC、井上尚弥の4団体統一、バスケW杯での今大会初勝利など、多くの人が熱狂した瞬間がありました。SNSで切り抜き動画がバズり、見逃し配信が普及した今、誰もが一度はその瞬間を目にするようになったと思います。その一方で、その試合の背後に隠れた誰も知らない物語を、アスリートや関係者への取材のなかで浮き上がらせ記事化していく過程はいつもわくわくします。
また競技を問わず取り上げられるのも「Number」の面白いところだと思います。国内唯一のスポーツ総合誌としてさまざまな競技を取材して、アスリートという生き方に迫ることができる仕事は他にないでしょう。
これからの目標や夢
配属されて一番実感しているのは、「Number」という雑誌の持つブランド力です。取材の依頼で連絡をすると「Numberに取り上げてもらえるなんて光栄です」という声をよく聞きます。それはこれまで信頼できるものを作り続けてきたからであり、スポーツ総合誌としての地位を守ってきたからだと思います。雑誌が昔ほど売れない時代ですが、誌面のコンテンツ力がブランド力の源泉であることは間違いありません。そんな大きな看板の下で仕事をしているので、プレッシャーはありますが、20年後にも面白いと思ってもらえるような誌面作りを目指したいと思います。


配属後に気付いた
Numberの「想像と違ったところ」は?
編集部は意外と静かなところでした(笑)。校了週やその前週にあわただしく作業をしているのは特集ページを作っているデスクを含めた4~5人で、あとの人は編集部にいないことが多いです。配属されてすぐの私はおとなしく自分の机で仕事を待っていたのですが、「外でいろいろ見てきなさい」と言われ、今では隙を見つけて本屋やイベントをのぞきに行くなどしています。
ただそんな編集部も騒がしくなるときがあります。世間の注目があつまる、あるいは結果次第で雑誌の売れ行きが左右される試合は編集部のテレビの前に集まって観戦することも。カタール・サッカーW杯のドイツ戦や2023年のWBCの決勝は編集部で観ながら大いに盛り上がりました。
今の仕事に
生きていること
今の仕事に生きているかは疑問ですが、大学時代に銭湯でアルバイトしていたことは良かったなと思います。様々な世代が集まるので、お風呂上りにロビーでくつろぐお客さんと世間話をするだけで知らないことを知ることができ、とても勉強になりました。
また何種類かの雑誌が置いてあるなかで、どんな人がどんな雑誌を手に取っているのか、どのページから読んでいるのか、観察することができました。読者を具体的にイメージする際に役立っていると言えるかもしれません。


1週間の仕事の時間配分

オフの1日
特に決まった過ごし方はないですが、身体を動かすのが好きなので、友人たちとバスケをしたり山に登ったりしています。溜まった本や映画を休みの日に消化するというのもこの業界のあるあるでしょうか。
文藝春秋を一言で
表現するなら
プロとアマの
融合
忘れられない一冊

筒井康隆『現代語裏辞典』
高純度のブラックユーモア集。読んでいると真剣に考えることを一時的に放棄したくなる、ある意味忘れられない一冊。就活など何かに思いつめたときに開くことをおすすめします。
