TOKYO YEAR ZERO 2007年10月12日発売
トップ プロダクション・ノート 三つの謎 その闇の世界 東京三部作とは デイヴィッド・ピース
 
「TOKYO YEAR ZERO」を巡る3つの謎
 
三つの謎
1945年、敗戦の日に発見された変死体――
8月15日。酷暑の日。彼女は無残に絞殺されて発見された。宮崎光子。
憲兵隊の捜査は、しかし、終戦の混乱によって頓挫する。
その死は未解決に終わる。
すべてはそこからはじまる。誰が彼女を殺したのか。
そして1946年夏、同じ手口で殺された女たちが次々に発見される。
敗戦によって解き放たれた殺人鬼が、瓦礫と化した東京を徘徊しているのだ。
その獣はいったい何者なのか?
闇市の帝王暗殺事件、闇利権をめぐる闘争――
その名を松田義一。
新橋のマーケットを支配し、軍や警察にも強力なパイプを持つテキ屋の大物。
その松田が殺された。銃弾を撃ち込んだ男も直後に死体で見つかる。
東京のアンダーワールドは一触即発の状態にあった。
闇市利権から排除された中国・台湾・朝鮮のアウトローたちが
機関銃まで動員し、銃撃戦も辞さずに新橋を狙う。
そこにうごめく警察とGHQの影。松田暗殺は誰のしわざなのか?
そして刑事が抱える忌まわしい記憶の正体――
身元不明の死者のために、警視庁・三波警部補はさまよう。
敗戦と占領がもたらした東京という地獄の底を。
忘れられた無数の屍が埋められた暗い森を。
だが彼の周囲に陰謀の気配が渦巻きはじめる。
新聞記者、ヤクザの大物、警視庁の上層部、GHQ……
渦の中心にあるのは三波の忌まわしい秘密だ。
それが暴かれるとき、三波の心の闇が決壊し、
痛ましい真実が奔流となってあふれ出す……。
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