綿矢りさ・著
今井樹理恵ちゃんもアキヨさんも、亜美ちゃんも、痛いところが胸に刺さりますよね。小説なんだけど絵空事じゃないので、そこを女性に味わってほしいです。「この人のことはわかる」とか「この人はいや!」とか話し合ったらきっと面白いと思います。
西井小説を普段あんまり読まない人でも主人公に感情移入できて、キャラクターに共感できるできないとかの入り口からでも楽しめると思うんです。それに心に強く残る文章がありますよね。私の場合は「亜美ちゃんは美人」のなかの、職業はコンプレックスを埋めるために選ぶのかもしれないというところが身にしみました。
加藤女性だったらどこかしらに「この感情はわかる!」という部分が絶対にあると思います。
岩室全部のシーンが友達の話を聞いてるみたいですよね。彼氏がいる人が読むのと特定の相手がいない人が読むのとでもまた感じ取り方が違うんじゃないかな。彼氏に読ませてみるのもいいかも。男性には隆大の気持ちが理解できるのかどうか聞いてみたい!
今井そうですね!「かわいそうだね?」を読んだ男性にこんな時、あなたならどうする? って聞いてみたいです。
綿矢ケンカの火種にならないように願ってます(笑)
幸脇年齢によっても受け取り方が変わるかも。特に「亜美ちゃんは美人」は今の私だと「こんなことあったなぁ」と振り返るような気持ちで懐かしむように読むんですけど、たとえば学生時代に読んだら二人の学校での場面とかもっと切実なのかもしれないし、その折々で色んな感じ方がある小説だと思います。
加藤飲み会の前に読んでみんなで喋ってみたいですよね。
幸脇そうそう。それぞれに感じることが重なる部分とか違う部分とかありそう。
綿矢そんなふうに読んでいただけて嬉しいです。こんなふうに直接お会いして感想を伺うなんて緊張していたんですけれど、とても楽しかったです。本当にありがとうございました。