内容紹介
48人の主人公が織りなす春・夏・秋・冬の48の物語。
「ひとの“想い”を信じていなければ、小説は書けない気がする」という著者が描きだした、
普通の人々の小さくて大きな世界がここにあります。
■春の12編 目次
「春」の巻き 12人の主人公たち
- 『めぐりびな』
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義理の母親から娘の初節句のお祝いで7段飾りのひな人形を送られるが、古い人形を捨てなくてはならないと告げられる――育児休暇中の26才の主婦
- 『球春』
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戦力外通告を受け帰郷した元プロ野球選手宛に、野球部の練習へ誘う手紙を書いた14才の野球部キャプテン
- 『拝復、ポンカンにて』
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大学入学で上京する前の日をできるだけギリギリまで両親と過ごそうとする
ちょっとツッパった18才
- 『島小僧』
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本土との橋開通で変わりつつある瀬戸内海の島を出て、大学進学のために上京する18才
- 『よもぎ苦いか、しょっぱいか』
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休日の昼間、庭の手入れを楽しんでいるとき、小学一年生のころの母親の
手の匂いを思い出した二児の父
- 『ジーコロ』
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担当エリアの変更で26年前、学生時代に初めてひとり暮らしした町を、偶然訪ねることになった44才の不動産会社の営業課長
- 『さくら地蔵』
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立春から立夏まで桜のはなびらで彩られる地蔵に、お参りする60才の長距離トラック運転手
- 『せいくらべ』
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父親の事業の失敗で、借家に引越しし公立へ転校した。おさない弟のため
母親がわりになろうと頑張る小学五年生
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- 『霧を往け』
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都心の駅で悪評のなか、死んだ同い年の見知らぬ男の故郷をたずねる44才のフリーライター
- 『お兄ちゃんの帰郷』
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東京の学校に入学したものの、二ヶ月ほどで帰郷してひきこもりはじめた18才の大学生
- 『目には青葉』
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友だちと恋人の中間のような女性を、ひとり暮らしの家ででむかえる36才の
会社員
- 『ツバメ記念日』
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一年の育児休暇を二ヶ月短縮しての仕事復帰で、育児との両立に奔走する総合職採用の一期生
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