登場人物紹介

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真柴綾音 ( ましばあやね )

   30代前半のパッチワーク・アーティスト。短大を出たあとイギリス留学を果たし、帰国後に出版した本でマニアたちの注目を集めることになった。創作活動時には旧姓の三田を用いている。東京都渋谷区代官山でマンションの一室を改装した<アンズハウス>という教室も開いており、若山宏美はその助手。夫の義孝が毒物中毒死したときには、札幌の実家に帰省していた。夫から離婚を切り出されたため、気持ちの整理をしていたのだというが……。

( 『聖女の救済』 )

真柴義孝 ( ましばよしたか )

   IT関連会社のワンマン経営者。目黒区の自宅で毒物中毒死しているところを発見された。幼少のころに両親が離婚し、親権者となった父親も仕事優先の人だった。金銭面では恵まれた環境で育ったが、肉親に愛された経験がほとんどなく、家族愛に飢えていた。自分と血のつながった子孫を残すことに異常なほど執着したのもそのためで、綾音との結婚に際しても、1年経って子供が出来なければ離婚を考えるという約束を取り交わしていたほどである。

( 『聖女の救済』 )

若山宏美 ( わかやまひろみ )

   真柴綾音の助手。年齢は20代半ば。元は派遣社員として働いていたが、3年前から綾音の助手を務めている。真柴義孝と初めて出会ったのは彼の結婚前で、はじめから宏美は好意を感じていた。その義孝から積極的に求められたために仲が進展し、3ヶ月の間二人は愛人関係にあった。義孝は、綾音と離婚して宏美と再婚することさえほのめかしていたのだが、毒物中毒で急逝してしまう。皮肉にも、宏美がその遺体の第一発見者になった。

( 『聖女の救済』 )

猪飼達彦 ( いかいたつひこ )

   42歳。弁護士として複数の会社で顧問を務める精力家。真柴義孝の会社の顧問でもあり、経営に参画するほどの密接な関係を持っていた。そのため、義孝の死後は事後処理に追われることになる。義孝とは大学のサークルが一緒だったという仲で、彼が綾音と出会ったお見合いパーティにも同行していた。7歳下の妻・由希子は2ヶ月前に出産したばかりで、事件直前にも真柴家で出産祝いのパーティを開いてもらっていた。

( 『聖女の救済』 )

津久井潤子 ( つくいじゅんこ )

   胡蝶スミレの筆名で絵本作家として活動していた。雪だるまや狛犬といった、昔から存在するキャラクターを主人公に据えた作風が特徴で、『あした雨降りになあれ』という絵本ではてるてる坊主を主役にしていた。その絵本が縁で、ネットアニメのキャラクター・デザインを行ったこともある。既に2年前、彼女は自宅で自殺を遂げてしまっている。彼女の存在は、真柴義孝中毒死事件にどのような形で影響を与えているのだろうか……?

( 『聖女の救済』 )

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