著者インタビュー

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今回、刊行になった『浮き草デイズ2』は、単身上京され、イラストレーターを目指すたかぎさんの25歳から28歳までの日々が綴られています。1巻では夢を追いつついろんなアルバイトを経験し、2巻ではかけもちバイト生活に突入ですね。ずいぶんハードな毎日だったのではないかと思いますが、バイトは週に何日通っていたんですか?

たかぎ

(以下、た)う~ん、パート勤務になるまでは結構バラバラでした。バイト先が繁忙期のときは連日勤務や残業もありましたが、ヒマな時期になるとバイトに入りたくても入れなかったり、不安定でしたねー。バイトのかけもちはハードと言いつつも、昼寝もいっぱいしていたので、本当にハードだったのかどうかは、ちょっと疑問です(笑)。

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バイトを通じて、いろんなお友達ができたみたいですね。

当時、バイト先で知り合って、今でも仲良くしてもらってる人もいますが、最初は短期バイトばかりしてたので、バイト中に少し仲良くなってもバイトが終わるとそれっきり、ということも多かったです。「あのときのあの人、今頃どうしてるのかなぁ~」と、たまに思い出すこともあります。

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かけもちバイトで生活は安定してきても、贅沢まではできない東京暮らしだったんですよね。当時、やりたかったけど、懐具合が心配でできなかったことってありますか?

いろいろありましたが、やっぱり旅行ですかね~。生活するだけでいっぱいいっぱいで、とてもそんなゆとりがなかったので、友達の海外旅行話なんか聞くと、心底うらやましかったです。まあ、ある意味、実家に帰るのが私にとっての旅行でした(笑)。

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2巻ではおいしそうなチャーハンを作るシーンが出てきます。毎日自炊されていたんですか?

毎日自炊してました。でも、簡単なメニューばかりですよ。あまった味噌汁に豚肉とキムチと冷凍うどんを入れてグツグツ煮込んで、「はい、豚キムチうどん~」とか、そんな感じです。

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お休みの日は絵の勉強も兼ねて、ギャラリー巡りをよくされていたとか。

ギャラリーというのはだいたいおしゃれな街にあるので、ぶらぶら歩くのも楽しいし、絵を見るのは勉強にもなるし、しかも無料! こういうギャラリーがたくさんあるのも、東京のすごいところだなぁ~と思いました。

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この頃、出版社への持ち込みもよくしていたようです。どんなイラストを描かれていたんですか? マンガは描いていなかったのですか?

マンガは高校時代にいわゆる「少女マンガ」を描いてたのですが、卒業後はまったく描かなくなって、出版社に持ち込みをしていた頃は、絵の具でガンガン描くようなはげしめの絵(?)でした。全然かわいい系の絵じゃなかったので、売り込み先では「使うとしたらミステリー系かなぁ~」なんて言われたことも。それがその後、いまの作風につながっていったというのは、自分でもとっても不思議です。

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