おさかなばなし
秋も深まった本所で、堀川沿いにある江戸七不思議の一つ「置いてけ堀」から堀の主の声が聞こえたと噂がたつ。「魚を置いて行けと言われた」「子が行方不明になった」「河童と出くわして店の掛け売りの金を持って行かれた」などなど。そんな噂の堀に落ちたのがご存じ色男の八木清十郎。水に濡れ、風邪で伏せった清十郎を見舞う悪友、高橋麻之助と相馬吉五郎。清十郎が何か隠しているのを感じた二人は、再び向かった夜のお堀で身なりのよい商人に出会う。寿ずからの懐妊知らされて喜ぶ麻之助たちは真相にたどりつけるのか。