登場人物 畠中恵さんにインタビュー 江戸豆知識 畠屋の「真真事」よみうり
「まんまこと」とは…  
まんまこと
色男の清十郎が、幼なじみの麻之助によりにもよって“念者のふり”を頼んできた。どうやら太物問屋の娘からお腹の子の父と名指しされ、まるで身に覚えのない清十郎が困り果てての頼みの様子。まことの父は誰なのか。
麻之助の裁定がさえる第一話。
柿の実を半分
質屋の三池屋小左衛門の庭から、柿を盗んだ麻之助。気軽にいただいたつもりが、執拗に追い掛け回され、閉口。先年、愛する妻子を亡くした寂しさから、小左衛門は話し相手が欲しいようだった。でっちあげの昔の恋人の忘れ形見が当人の前に現われるが――。人情の機微いとおしい第二話。
万年、青いやつ
呑気ものの麻之助に縁談。そこに万年青の鉢をめぐる争いがもちこまれる。万年青好きの“連”のお披露目会のあと、のこされたひと鉢は一体誰のものなのか。大家、松野屋七郎兵衛、店子袋物師安助、両者一歩も退かぬ構え。
江戸情緒あふれる第三話。
吾が子か、他の子か、誰の子か
麻之助の家で清十郎があばれはじめた。なんと、弟・幸太のまことの父の父を名乗る人物が現われたのだという。亡き息子の松三郎が江戸づとめの折、残した子が幸太だと言ってのりこんできた。松三郎の放蕩のあとを追い、深川に芝に麻之助・清十郎・吉五郎の三人組は足を運ぶ。
せつない記憶につながる第四話。
こけ未練
麻之助が又四郎の見舞いのため、高級菓子司越後鈴木に寄ったところ、最初に狆、つづいて娘を拾ってしまう。これが厄介の種だった……。赤い手絡をした娘を探す岡っ引きに追われ、麻之助と清十郎は江戸の往来をひた走るが。
娘ごころの複雑さが鮮烈な第五話。
静心なく
「八木家の末の子は預かっている」「金を用意しておけ。五十両」――
幸太が攫われた。支配町の住人の暮らしを左右する町名主にはいつでも逆恨みの危険があるのだ。なにかの因縁か、それとも金欲しさか――
ラストシーンが胸に沁みる第六話。
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