畠屋の『真真事』よみうり

ちかごろの畠屋

  • 平成二十三年 神無月の十七日
  • 平成二十三年 長月の二十六日
  • 平成二十三年 長月の五日
  • 平成二十一年 卯月の二 方向音痴
  • 平成二十一年 卯月の一 桜咲く。

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平成二十三年 神無月の十七日

菓子、大好きの畠屋でございます。
好きだようと言っておりましたら、文春屋さんから、美味しい一箱をいただきました。
はい、青柳正家の「菊最中」でございます。

これはかわいい、かわいい。箱を開けると、菊の花が一面に並んでおりました。
小振りな花で、ひょいと一つ持ち上げると、最中の中に、皮をちょんと乗せている
ように思える程たっぷりと、餡が入っておりました。
「おお、これは、頂いたら嬉しい」
さすれば、真剣に食べねばなりません。真面目にぱくりとやりますと、まずは最中の皮が、
しっかりとして、香ばしかったです。
餡子は、さらり、とろりとして、上品でありました。
こんなお花、良いですねえ。

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11年10月17日 | コメント(2) |

平成二十三年 長月の二十六日

二番手に、清十郎でございます。
こう言っちゃなんですが、あたしは見てくれのよい男でして。おまけに、一人前に仕事をしておりますからして、それはおなご方に騒がれるのです。男と女の甘い付き合い。
好きですねえ。
ですが、しかし。男同士の付き合いとなると、かわいいおなごとのように、甘く、簡単にはいきませんね。でも、だからこそ面白く、長い友情になるのかと、最近思ったりいたします。
良い事が続く時は、互いに言いたいことを口にし、ふざけも致します。
そして、何かあった時は、しっかり肩を貸す。それが友だと思っております。
私は、見てくれよりも柔らかいばかりの男じゃないんですねと、言われた事がありますよ。

11年09月26日 | コメント |

平成二十三年 長月の五日

 一番手に、麻之助でございます。

 お久しゅうございます。ああ、皆さんに会えて嬉しい、麻之助であります。
 いや、ほんに久々の再会となりました。私ったらその間に、ぐっといい男になりまして。
「ねえ、なったよね? うん、そうだよねぇ?」
 妻のお寿ずに、そう申しましたら、妻は笑いだし、何故だか、おとっつぁんに頭をぱしりと叩かれました。おとっつぁんたら最近、息子をひっぱたく事が、増えてるからいけません。
 妻お寿ずを始め、清十郎や吉五郎、貞など、顔なじみの面々とあれこれ困りごとを解決し、一日が終わって行く頃には、湯屋へ顔を出すのも、良きものであります。江戸の一日は時にせわしく、しかし、ゆったりまったり、過ぎて行きますから……。
 正直に申しますと、私の身にも、あれこれありました。本当に色々ありすぎた気がするほどで。
 子細をこちらで短く語るのは、いささか無理と思い定めておりますれば、本編にてしばし、おつきあい願えますでしょうか。
 よろしくお願い申し上げます。

       *     *     *     *     *     *

追記
 麻之助、ふにの尾を踏んづけた後、三回引っかかれる。吉五郎より、猫は大事にするよう、忠告を受ける。


 高利貸しの丸三が、貸した金を踏み倒され、相手に逃げられるという一件発生。丸三は、麻之助や清十郎の支配町の住人ではないので、二人はその件には関わらず。丸三は高利貸しとしての矜持が傷ついた模様で、麻之助らを料理屋に呼んでご馳走してくれる代わりに、一日愚痴を言っていた。
 麻之助曰く、
「高利貸しの矜持って、何だ?」
 疑問は残った。

11年09月05日 | コメント |

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