第112回文學界新人賞発表
【受賞作】
- 甘露 水原涼
二十一歳の俊英が抜群の筆力で世に問う、家と家族をめぐる不穏さに充ちた小説
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癌だましい 山内令南
食道癌をわずらう中年女性の食への執着を壮絶に描く、新たなる闘病小説の誕生
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【選評】角田光代・花村萬月・松浦寿輝・松浦理英子・吉田修一
詩篇
眼の海 ──わたしの死者たちに 辺見庸
被災地・石巻を故郷に持つ作者が溢れ出る慟哭と鎮魂の思いを詩の言葉に託す
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創作
- 水際の声 谷崎由依
- すきずき 瀬戸良枝
- 群衆のナンバー 穂田川洋山
エセー
- みみず 石田千
- レオポルド・ブルームの末裔 木村榮一
- 電子書籍 長尾真
- 深夜の爪切り 鬼海弘雄
【論考】
- 人間は放射線をどう恐れてきたか 青来有一
連載小説
- 二十世紀博覧会 新連載第二回 辻仁成
- モンフォーコンの鼠 第二十七回 鹿島茂
- 武曲(むこく) 第二十五回 藤沢周
- カフカ式練習帳 第十八回 保坂和志
- 路(ルー) 第二十四回 吉田修一
- 傾国子女 第十三回 島田雅彦
連載評論
- 雑報 第六回 祝祭 安藤礼二
- ドストエフスキーの預言 第二十五回 亡命してはならない 佐藤優
文學界図書室
宮本輝『三十光年の星たち』(池上冬樹)/津村記久子『ワーカーズ・ダイジェスト』(山崎まどか)/ジュノ・ディアス『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』(小山太一)/磯ア憲一郎『赤の他人の瓜二つ』(沼野充義)
- 著者インタビュー 安部ねり『安部公房伝』
コラム
- カーヴの隅の本棚 鴻巣友季子
- ニッポンの名文 山口文憲
- 鳥の眼・虫の眼 相馬悠々
- 新人小説月評 大串尚代 石橋正孝
- Author’s Eyes
不実な忠実 郷原佳以
ほんもの 小林里々子
- 日本全国文学ガイド(5月7日〜6月6日)
- 文學界新人賞応募規定
- 執筆者紹介
- Voice of Animals 三沢厚彦
- 詩〈私の町〉 山田亮太