INTERVIEW#06 何事も面白がってみる! 映像メディア部 安江 拓人

私の入社理由

出版不況だからこそ本を売りたい

もともと小説が好きで、本に関わる仕事がしたいなとずっと思っていました。実際に就職活動をする中では、出版のクリエイティブな部分ではなく、ビジネスとしての側面に興味を持ちました。出版不況だからこそ本を売る、売り伸ばすといった仕事がこれから重要になってくるのではないかと思い、営業志望で受験しました。入社前に抱いていた印象はいろいろありますが、どれもいい意味で裏切られています。ただ、「週刊誌があるからゴシップ好きなのかな」という印象はドンピシャ、正解でした。一人に話したことは翌日には皆が知っている、というあるある話が存在するくらいで、SNSが隆盛を極める昨今に口コミの恐ろしさ、もとい凄さを実感する日々です。

今の仕事
について

現在までの経歴

  1. 2015.03月 入社
  2. 2015.04月 営業推進部
  3. 2015.07月 書籍営業部兼販売促進チーム
  4. 2016.07月 雑誌営業部兼販売促進チーム
  5. 2017.07月 映像メディア部

文藝春秋の刊行物の映像化、舞台化、朗読使用における窓口業務を行っています。映像化や舞台化の原作になりそうな本を紹介したり、テレビ局や映画会社と宣伝の方法を協議したり、文春の本をメディアミックスという形でより認知してもらうための仕事です。

STORY 01

現在の仕事のやりがい

自分が携わっている案件が、本の売り上げに貢献できているのが分かることにやりがいを感じます。例えば、『十二人の死にたい子どもたち』の映画化発表時は出演者全員の顔にモザイクをかけたビジュアルで情報解禁をしました。一体誰が出演しているのだ、と世間がざわついている中、後日の出演者解禁日にモザイクが取れた時は、その顔ぶれの豪華さが大きな話題を呼びました。すると、原作の本の売れ行きも約2倍に跳ね上がったのです。

こういった情報解禁のタイミングはニュースになるので、事前に映画会社やテレビ局と互いにとって最大限の露出になるように打ち合わせを重ねます。それが上手くかみ合った時は反響が見えやすいのでやりがいを感じられます。

その他にも、撮影現場に立ちあえたり、試写で一足先に映画を観られたりしますが、それはやりがいというより役得、でしょうか。

STORY 02

これからの目標

会社が持っている知的財産をもっと広く活用できないかと考えています。今のところ、日本国内での映像化がほとんどですが、やがては海外での映像化を増やしていく必要があると思います。というのも、国内の映像化だけでは、予算などの問題でスケールの大きい作品は映像化しにくい現状があります。日本では映像化が難しい作品でも、欧米や中国なら可能かもしれない(単純な話、動く金額が1桁違います)。

海外で映像化されれば、現地の翻訳本が売れますし、場合によっては映画が日本に逆輸入されるかもしれません。他社の本になってしまいますが、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は中国で映画化されたとき、現地の翻訳本が大ベストセラーになったということがあったようです。現在でも進行中の海外映像化は何件かありますが、その数を増やしていくことが会社の未来にも繋がっていくと思います。

STORY 03

他業界の人との関わりで
得られること

映像作品は本に比べて商品としての寿命が短いので(本は刊行後、しばらく経ってからテレビで紹介されるなどして売れることがありますが、映像作品にはほとんどあり得ません)、宣伝活動は公開前に全力を注ぎます。企業とタイアップしたり、キャンペーンをうったり、出演者をバラエティ番組に出演させたりと、もの凄い物量です。とても本の宣伝では真似できるものではないですが、発想やアイディアは勉強になります。

例えば、先ほども例に挙げた『十二人の死にたい子どもたち』では情報を絞って宣伝を行っていました。その結果、詳細が気になった人たちがネットで盛り上がり、大きな話題となりました。情報出しのタイミングや煽り方といった面で参考にできる部分はあるのではないかと考えています。

STORY 04

なぜ映像化ビジネスを
重視するのか

一番大きな理由は、映像化が本のプロモーションとして非常に効果的だからです。テレビや映画は何十万人、何百万人といったとても多くの人の目に触れます。たとえその中の1%であってもドラマや映画を観た人が原作を買ってくれたら、売り上げはグンと伸びます。例えば、東野圭吾さんの<ガリレオ>シリーズや、池井戸潤さんの<半沢直樹>シリーズは映像化によって売り上げを大きく伸ばした成功例です。

両シリーズともドラマの大ヒットの影響で原作の売り上げが爆発的に伸び、今では文春文庫の売り上げを支える柱になっています。

本が売れなくなっている時代だからこそ、原作を多くの人に周知できる映像化というのは、この上ないプロモーションのチャンスなのです。

ON OFF

1週間の仕事の時間配分

オフの1日

ロードレーサーに乗るのが趣味で、休みの日は100km以上走ります。

文藝春秋を一言で表現するなら

個性派集団

忘れられない一冊

『木洩れ日に泳ぐ魚』

営業にいたころ、オリジナルのオビとPOPを作って書店で展開したことがきっかけで大きく部数を伸ばすことができた本です。多くの人が自分の好きな本を手にとってくれたときの喜びは忘れられません。

「映像メディア部」で
何を伝える、
なぜ伝えるのか。

映像メディア部の大きな役割は映像化を通して原作の売り上げを伸ばすことだと思っています。なので、映像化を通して伝えていることといったら、原作の面白さということになるでしょうか。ただ、その伝え方や、伝える先が重要だと思っています。

一口に映像化と言っても国内と国外では違いますし、テレビなのか映画なのかネット配信なのかでも全然違います。日本の原作で日中合作の映画がありました。文藝春秋の作品でもそういった可能性はないのだろうか。各局のドラマ枠が少なくなる中、配信限定のドラマが増えてきています。配信ドラマ化で原作を売り伸ばすにはどうすればいいのか。これから考えていかなければならないことはたくさんあります。

映像業界も出版業界も変化を迎える中で、様々な可能性を探ることで、新しいビジネスチャンスを見つけられるのではないかと考えています。