INTERVIEW#01 先入観は可能を不可能にする Number 編集部 田村 航平

私の入社理由

失敗を恐れない社風に惹かれて

大学時代に「早稲田スポーツ」というスポーツ新聞で早大の野球部を取材しており、その現場で「Number」のライターや文藝春秋の社員と接点を持ちました。

皆に共通していたのが、「失敗談を楽しそうに語る」という点でした。成功を自慢することは簡単ですが、失敗を人に聞かせるためには勇気が必要です。

失敗を恐れない社風が垣間見えて、いいなと思いました。ただ、入社してからも飛び交うのは失敗談ばかりで、たまには成功譚も聞きたいところですが……(笑)。

今の仕事
について

現在までの経歴

  1. 2012.03月 入社
  2. 2012.04月 週刊文春編集部
  3. 2014.08月 Number 編集部

スポーツ総合誌「Number」の編集者としてアスリートのインタビューや撮影を仕切り、誌面を作っています。スポーツの試合に足を運んだり、「Number Web」に原稿を書いたりすることもあります。

STORY 01

現在の仕事のやりがい

スポーツを取材していると、たったひとつのプレーでその選手の人生が大きく変わる瞬間に立ち会うことができます。

たとえば私は大谷翔平選手のインタビューページを日本ハム時代から担当していますが、大谷選手は日本にいた頃から「誰も歩んだことのない道を歩みたい」という姿勢を貫いていました。

そして、2018年にメジャーリーグでの大活躍によって、それまで懐疑的な声もあった「投打二刀流」への周囲の評価を大きく変えてみせました。まさに世界を驚かせたわけですが、その歩みを誌面で克明に記録してきたことには大きな意義があると思っています。

STORY 02

これからの目標

入社してからというもの、幸運なことに会いたいと思っていた人には次々に会えて、作りたいと思いついた特集もすぐに実現できるので、実は夢を持ち続けることがなかなか大変なのですが……今の大きな目標は、「サッカーW杯優勝」です。

選手が掲げた目標に対して、そのために何が必要なのか、「Number」の誌上で選手、指導者、評論家、経営者、ファンといった様々な立場の意見を紹介し、ワイワイ、ガヤガヤと楽しく議論しながら日本のスポーツが発展していけたら良いですね。

STORY 03

編集者の
アマチュアとプロの違い

仕事としての雑誌作りでは、とにかく「提案理由」が大事です。お金をかけて何でも作れてしまう反面、「なぜ、作るのか」を常に問われます。

雑誌が発売される時期に読者が関心を持ちそうな特集は何か、なぜこの選手が表紙なのか、ライターにはどんな原稿を書いてもらうのか、カメラマンにはどういう雰囲気の写真を撮ってもらうのか……すべての「なぜ」に明確な答えを持って、雑誌作りに関わる全員に同じ方向を向いてもらう。それが、プロの編集者の仕事です。

STORY 04

誌面とデジタル

スポーツには速報性が求められるので、デジタルとの相性が良いことは間違いありません。日本代表戦や甲子園といった関心の高いスポーツイベントでは、すぐに独自の分析記事を「Number Web」で配信できるように事前に準備します。

一方で誌面には年々、保存性が求められるようになってきたと感じています。読者が長く手元に残しておきたいと思うだけのクオリティの高さと、時間が経過しても雑誌を見るだけでその試合の興奮が蘇ってくるような誌面作りを意識しています。

ON OFF

1週間の仕事の時間配分

オフの1日

休日もファンとしてスポーツ観戦に出掛けることが多いです。写真展やイラスト展、美術館に足を運ぶことも。誌面作りの参考になればという気持ちも多少ありますが、基本的には楽しく見ているだけです。

文藝春秋を一言で表現するなら

ゲスだけど
乙女。

忘れられない一冊

木崎伸也『直撃 本田圭佑』

2010年サッカーW杯で英雄になった直後、本田圭佑選手はメディアに対して口を閉ざしました。スポーツライターの木崎伸也さんが「Number」編集部からの無茶ぶりを受け、そんな本田選手をロシアの練習場や空港でアポなしで直撃して真意に迫ります。特に「オレのコメントなしの記事、楽しみにしてるよ」と言われてしまった回には、試合での動きから本田選手の狙いを読み解くというスポーツジャーナリズムの醍醐味が表れています。

「Number」で
何を伝える、
なぜ伝えるのか。

2016年のリオデジャネイロ五輪が終わった直後から、どの競技でもアスリートたちの目の色が変わりました。それだけ自国開催の五輪に出場することはアスリートにとって栄誉であり、同時に計り知れないプレッシャーがあるのだと思います。「Number」はスポーツの大会やシステムよりも「人」を主役にした雑誌なので、その姿勢は2020年でも貫いて、アスリートが東京五輪という一世一代のプレッシャーと向き合うことで精神的に、または技術的にどのような成長を見せるのかを伝えていきたいです。