INTERVIEW#02 作り終えてからが本番! 電子書籍編集部 兼 
コミック編集部
君島 佳穂

私の入社理由

面接がいちばん楽しかった

就活中は出版社を幅広く受けていて、他にも内定をいただいていたのですが、文藝春秋に決めた理由は2つあります。1つは、面接が一番楽しく感じたからです。ほとんどの出版社はインターンを実施しないので、面接がその会社の雰囲気を知るチャンスになります。面接官と自然に会話ができ、相性が良いと感じた文藝春秋に入ろうと思いました。2つ目の理由は、部署異動が多いからです。私は何事も一度経験したい人間なので、「絶対この部署は行きたくない!」「この仕事じゃないと嫌!」といったこだわりがないです。一度配属が決まると当分固定される会社よりも、数年ごとに様々な仕事を経験できる会社の方が、自分の性格に合っていると思い、文藝春秋に決めました。

今の仕事
について

現在までの経歴

  1. 2018.03月 入社
  2. 2018.04月 電子書籍編集部
  3. 2019.07月 コミック編集部 (兼務)

電子書籍とマンガの編集をしています。企画によっては書籍化することもあるので、紙の編集をすることも。

STORY 01

現在の仕事のやりがい

マンガと電子は相性がとても良く、幅広く展開できる点が面白いです。実際、通勤中にスマホでマンガを読んでいる方をよく見かけますよね。

コロナの影響か、今年も数多くの作品が電子書籍化されました。文藝春秋でも、昔刊行されたマンガの電子復刻をしています。取り扱う作品自体は古くても、漫画アプリに配信すると、若い読者が「新しい作品」として楽しんでくれます。自分が電子復刻したマンガが改めて読まれているのを見ると、やりがいを感じます。

あとは自分の担当している連載作品が話題になったとき。文春オンラインの連載で「僕が夫に出会うまで」が海外で読まれていることを知ったときは本当に嬉しかったです。ツイッターで読んだ英語の感想が、今も励みになっています。

ちなみに電子書籍は紙の本より制作費がかからずページ数の制約もありません。「この電子書籍を作りたい!」と思ったら、すぐに編集部に提案して、実現に向けて動けるところも魅力です。

STORY 02

これからの目標や夢

読んでいて時間を忘れるような読み物を作りたいです。小説でも、マンガでも。 最近はスマホで何でもできるようになった分、マンガを読みながら音楽を聴いたり、ニュースを読みつつSNSをチェックしたり……という風に、何でも「ながら」で済んでしまっている印象を受けます。様々な娯楽を同時に楽しめるようになった分、1つ1つのコンテンツにかける時間が短くなったような。私自身、最近はコロナ禍もあって「常に何かしら情報を……」と落ち着きなくネットサーフィンをしてしまいます。 文藝春秋の雑誌や書籍は、時間をかけて読み込む面白さが強みだと思います。娯楽の選択肢が増えた今、文藝春秋のコンテンツをどれだけ読者の目に留まらせられるか。デジタルに長く携わっている先輩の話を聞いていると、それを意識した作品づくりが大切だと日々感じます。紙の形式にとらわれず、デジタルでの展開を常に視野に入れた編集者になりたいです。

STORY 03

コミック編集ではどのような仕事をしていますか?

いちばん力を入れているのは、原作のコミカライズ。まずは原作者の方に「この作品をマンガ化してはどうでしょう」と提案します。無事OKをいただきマンガ家さんが決まったら、一緒にマンガの方向性を話し合う。それを元にキャラデザやプロット、ネーム(下書き)を経て、徐々に形にしていきます。思っていた以上に時間のかかる仕事です。

今は文春オンラインで連載をしていて、毎月作家さんからネームや原稿をいただいています。素敵な原稿をいただくと本当に気分が上がります! 展開や表現に迷ったときは、作家さんと電話やメールで相談しながら決めています。

原稿がたまってきたら、単行本化の作業です。今、まさに絶賛制作中。ゲラやカバーデザインを確認しながら、発売後はどうしたら話題になるか考えを巡らせています。 会社自体は「文字もの」が主軸ですが、今の出版業界にとってマンガは無視できない存在。電子書籍と並行して、力を入れています。

STORY 04

文藝春秋にしかできないコミックとは何だと思いますか?

他部署の編集者と協力して、原作を意識したコミカライズができます。

マンガとして形にする前に、まずは原作者になるべくお会いして、お話を伺うようにしています。そのためには原作の担当編集の協力が必要不可欠です。原作者からしたら、突然「あなたの作品をマンガ化させてください!」と新人編集者がやってきたら戸惑いますよね。社内の担当編集に繋いでもらい、マンガ化についての要望や作品の執筆背景を取材した上で、マンガの方向性を固めています。

入社3年目から見た文藝春秋の社風は、先輩社員との距離が近いこと。相談がしやすいです。ベテランの担当編集者と密に連絡を取り合うことで、原作者の意図を補足説明してくれたり、時には作り手として意見してくれたりします。他社出身の、マンガ編集経験が豊富な先輩が周りにいるのも心強いです。丁寧なコミカライズができているのは、この環境によるところがあると思います。

ON OFF

1週間の仕事の時間配分

オフの1日

電子書籍編集部にいますが、やっぱり紙の本が好きです。土日は紙の本を読んだり、家でラジオを聴いたりしています。根っこは超アナログ人間です。

文藝春秋を一言で表現するなら

縦横無尽

忘れられない一冊

司馬遼太郎『坂の上の雲』

歴史小説を読むきっかけになった本です。特に第一巻は自分の進路を考える上でも参考になりました。入社後、司馬遼太郎記念財団の方と話す機会に恵まれ、直接感想を伝えられたのも感慨深いです。

「コミック編集部」で
何を伝える、
なぜ伝えるのか。

10~20代向けの作品を増やしたいです。

コミカライズの目的のひとつは「作品の読者を増やす」こと。自分の担当しているマンガが原作を読むきっかけになれば、と思いながら仕事しています。

いつか挑戦したいのは時代小説。若い世代にはあまり縁のないジャンルかもしれません(私も学生時代は全く読んでいませんでした)。意外と設定が斬新で、マンガ向きの作品が多いです。ゾンビが出てくる時代物を知ったときは衝撃でした。

堅い印象をもたれがちな作品を、マンガで少しでも印象を変えて、同世代の読書の幅を広げられたら嬉しいです。

コミック編集部ができてから、本屋の漫画コーナーに立ち寄ることが増えました。本棚に並ぶ人気作品を眺めながら、コミカライズに限らずオリジナル作品も担当したいと考えています。道のりは長いです。