文春新書



本書からの箴言

カエサルの言葉

人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと思う現実しか見ていない。(本文 P12)

危機

危機の時代は、指導者が頻繁に変わる。首をすげ代えれば、危機も打開できるかと、人々は夢見るのであろうか。だがこれは、夢であって現実ではない。(本文P40)

老いる

人間にも年齢があるのに似て、組織にも、そして国家にもある。ただし、この場合の「年齢」は、肉体上というより、精神の年齢を指すのはもちろんである。(本文P48)

想像力について

想像力も筋肉の力に似て、訓練を重ねていないと劣化してしまう。だからであろうか、学校秀才には想像力に欠ける人が少なくない。(本文P97)

リーダーの条件

自己反省は、絶対に一人で成されねばならない。決断を下すのも孤独だが、反省もまた孤独な行為なのである。(本文P109)

拝啓 小泉純一郎様

私があなたに求めることはただ一つ、刀折れ矢尽き、満身創痍になるまで責務を果しつづけ、政治家としての命を終えて下さることなのです。(本文P195)

『日本人へ リーダー篇』

『日本人へ リーダー篇』

  • 定価:893円(税込)
  • 発売日:2010年5月20日
  • 判型:新書判
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塩野七生

1937年7月、東京生まれ。
学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。68年から執筆活動を開始。70年、『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』で毎日出版文化賞を受賞。この年よりイタリアに在住。81年、『海の都の物語』でサントリー学芸賞。82年、菊池寛賞。88年、『わが友マキアヴェッリ』で女流文学賞。99年、司馬遼太郎賞。2002年にはイタリア政府より国家功労勲章を授与される。07年、文化功労者に。『ローマ人の物語』は06年に全15巻が完結。『ルネサンスの女たち』『ローマ人への20の質問』『ローマ亡き後の地中海世界』など著書多数。