耳袋秘帖シリーズ紹介耳袋とは?

肩には、若い無頼時代に彫った赤鬼の刺青。出自も不明ながら、六十二歳の高齢で町奉行に就任するという異例の出世を遂げた根岸肥前守鎮衛。彼は、その大きな耳で聞き集めた有名な奇談集「耳袋」とは別に、門外不出の「耳袋秘帖」をひそかに記していた。江戸に起こる怪事件を、一癖ある部下たちと共に解き明かす痛快時代小説

殺人事件シリーズ

江戸で起きた町方だけでは解決できない風変わりな殺人事件を、放蕩時代のさまざまな人脈からもたらされた情報をもとに、奉行自らの手で探索する……。

眠れない凶四郎

妖談シリーズ

街で起きた不可思議な事件を裁く一方で根岸は、金銭で殺人を請け負う「闇の者」の暗躍に心を痛めていた。そこで、謹慎中の椀田と家臣の宮尾に「闇の者」が関わる事件を探索させる……。

妖談ひときり傘再刊行

『馬喰町妖獣殺人事件』

訴訟でやってくる者たちが泊まる〈公事宿〉のひしめく日本橋馬喰町。お裁きがまさに始まろうとしたお白洲で、獣に食いつかれたような傷を残して公事師が突然死んだ。“マミ”が出たという騒ぎ、卵を産んだ女房、三日月井戸……馬喰町七不思議のなかに隠された巨大な悪事に根岸肥前守が挑む、大人気殺人事件シリーズ第16弾!

『八丁堀同心殺人事件』

与力や同心の組屋敷が置かれた八丁堀で町奉行所の同心が二人、何者かに斬り殺された。殺された二人は、袖の下を強要するなど評判が悪かったが、やがて不正をしている与力や同心が狙われると八丁堀は戦々恐々となる──。

『赤鬼奉行根岸肥前』

六十をすぎて、心ならずも、南町奉行を引き受けることとなった根岸肥前守鎮衛。しかし、町奉行に執心する旧田沼派の首領格の吉野監物の動向が気になる。その最中、無頼時代の友人どろ亀の又八が斬り殺された―。

『浅草妖刀殺人事件』

凶悪な盗人「おたすけ兄弟」が隠した金を、町奉行所の中間が使い込んだ。病に罹った娘を救うために、高額の薬代を用立てなければならなかったのだ。おたすけ兄弟から追われる身になった中間だが、奉行所には頼れない―。

『深川芸者殺人事件』

根岸の恋人で深川きっての売れっ子芸者力丸が、茶屋から忽然と姿を消した。さらに、力丸の後輩芸者が殺される。力丸の身に何が?

『谷中黒猫殺人事件』

谷中の「猫屋敷」で、美人姉妹の1人が殺された。過去の事件との係わりとは。根岸肥前が江戸の怪異を解き明かす、シリーズ第5弾

『両国大相撲殺人事件』

有望な若手力士が殺された。殺しの手口は、鉄砲、かんぬき、張り手。江戸相撲最強といわれる雷電の得意技だ。当初、雷電に嫌疑がかかるが、下手人は三人の浪人であった。なぜ、三人は雷電を下手人に仕立てあげようとしたのか―。

『新宿魔族殺人事件』

内藤新宿でやくざが次々に殺害された。探索の過程で浮かび上がってきた「ふまのもの」とは、いったい何者なのか。一方、随筆集『甲子夜話』で知られる松浦静山が、南町奉行根岸肥前守鎮衛に怪異の謎解きを迫る。

『麻布暗闇坂殺人事件』

坂の町、麻布。大黒坂を上って、一本松のところで出合う坂に暗闇坂がある。暗闇坂という名は、昼なお暗いことからきている。その暗闇坂界隈に不思議なうわさが立ちはじめた。幽霊が出るというのである―。

『人形町夕暮殺人事件』

南町奉行根岸肥前が不可解な病で寝込むなか、日本橋にほど近い人形町で、夕暮れどきに人が殺された。そのそばに置かれていたのは、不思議なかたちのひとがた(人形)だった。さらに、人形町で殺しが二件つづく―。

『神楽坂迷い道殺人事件』

神楽坂で「七福神めぐり」を模した娯楽が流行るなか、太巻き寿司屋“寿老人”のあるじが石像に頭をつぶされて亡くなった。一方、江戸を騒がす大泥棒出現の噂に南町奉行所は密かに動き出すが―。

『王子狐火殺人事件』

王子稲荷のほど近く、扇屋で祝言を前に花嫁が失踪した。その直後、別の女が顔に狐の面をつけて花嫁衣裳で殺されているのが見つかった。やがて、同様に狐の面を着けた死体が次々に見つかる―。殺人事件シリーズ第十一弾

『佃島渡し船殺人事件』

年の瀬の佃島で、渡し船が突如突っ込んできた船に当て逃げされ転覆、乗っていた四人が死んだ。だが、死んだ船頭以外の三人の遺体には刺し傷が見つかる。やがて、出航直前に別の船に乗るよう声をかけられた娘がいたとの証言も出て、事故の謎はさらに広がる。南町奉行根岸肥前が活躍する「耳袋秘帖」殺人事件シリーズ第十二弾。

『日本橋時の鐘殺人事件』

日本橋本石町の旅籠「長崎屋」で、腹を竹槍で無残に抉られた死体が見つかった。やがて、事件が起きたときに、ちょうど隣りの「時の鐘」で鐘を撞いていた孫六が、殺された酉右衛門を恨んでいたことが分かり……。

『木場豪商殺人事件』

木場の豪商がつくったからくり屋敷で人が死んだ。手妻師、怪力女、“蘇生した”寺侍が入り乱れ、あやかしの難事件が幕を開ける!

『湯島金魚殺人事件』

〈くじら〉という異名をもつ、巨漢のおかま、松平定信の特命を受けて風紀粛正に乗り出す目付、湯島の親分ぴんぞろの捨松らが入り乱れ、奇想天外なミステリが幕を開ける。

『妖談へらへら月』

雨の中あでやかな傘の群れが舞うと、死体がひとつ――「ひときり傘」が引き起こす連続殺人事件が江戸の町を震撼させる。一方、明日の天気を奇妙なほどぴたりとあてる女おせんが誘拐されて……。

『妖談へらへら月』

年の瀬の江戸で、突如人が失踪してしまう、いわゆる「神隠し」が頻発。消えた人々は、口をそろえてみな「そろそろ、月が笑う」と言い残していた。根岸は、最近起きた「神隠し」をしらみ潰しに調べるように命じるが……。

『妖談さかさ仏』

処刑直前、牢破りに成功した仏像専門の盗人、庄右衛門は、盗みの下見に来た寺で仏像をさかさにして拝む光景を目のあたりにする。その頃、深川では、力丸の妹分・小力が、姿を消す。椀田はまだ見ぬ小力に強い興味を持つが―。妖談シリーズ第四弾。

『妖談しにん橋』

深川で、西国雄藩の藩士と石川島から戻ったばかりの無宿人が相次いで水死した。二人とも、死の直前に、三十間堀に架かる「四人橋」を四人で渡り、自分の影だけが消えたと言い残していた―。なぜ、影は消えたのか。妖弾シリーズ第三弾。

『妖談かみそり尼』

高田馬場の竹林に棲む評判の美人尼。その庵の近くで、女好きの若旦那が死体で発見された。衣服には一筋の剃刀の跡。若旦那は、評判の尼に人生相談に行くと言い残して家を出たという。はたして尼の正体とは―。妖談シリーズ第二弾。

『妖談うしろ猫』

根岸肥前守のもとに、商いの評判が良かったもろこし屋の主人、幸右衛門が殺されたとの知らせが寄せられる。現場近くでは、「かのち」という書き付けを残して失踪した大店の若旦那が目撃されるが…。妖談シリーズ第一弾。