写真:新津保建秀
人知れずネットの深奥で共有される陰惨な動画。
子どもたちを地獄から救うためマコトとタカシは、獣たちに怒りの鉄槌をくだす。
定価:本体1,500円+税
発売日:2020年9月3日
写真:新津保建秀(http://www.kenshu-shintsubo.com/)
――闇の虐待ショーをぶち壊せ!
ダークウェブの深奥にある「逆隊コロシアム」。
通常の手段ではアクセスできないそのサイトでは、競うように児童虐待動画がアップされている。
「逆隊コロシアム」を潰して、その一部始終をドキュメンタリーにしたいというテレビ・ディレクターの梅原から依頼を受け、3人の虐待サバイバーの若者とともに調査に乗り出したマコトは、ある日テレビで見た子どもの虐待死のニュースが、「逆隊コロシアム」の動画に出ていた少女のことだと気づく。
小さな命を救えなかった悔しさと怒りを胸に、マコトはタカシや仲間たちと巨大なウェブに巣くう獣たちに戦いを挑むが――。
表題作のほか、池袋の路上で繰り広げられたタピオカ抗争の顛末、日本屈指のラブホ街を狙った強盗団との闘い、恋人のいない若い女性を狙ったバースデイコール詐欺を描いた3編を収録。累計430万部突破のIWGP16弾!
池袋を舞台に、トラブルシューターのマコトがストリートギャング・Gボーイズの“キング”タカシらとともに、次々と起こる難事件を解決するミステリーシリーズ。
1998年刊行の1作目『池袋ウエストゲートパーク』から少年犯罪やネット犯罪、非正規雇用問題など社会のリアルをシャープに描き続け、その同時代性と登場人物たちの魅力により今なお熱烈なファンを生み出している。
本名・真島誠。地元の工業高校を卒業後、池袋西一番街にある母親の果物屋の手伝いをしていたが、ある事件を解決したことでトラブルシューターとなる。組織に属さず、誰に対してもフラットに付き合うため、Gボーイズからヤクザ、警察にまで顔がきき、子供から老人にまで好かれる青年。基本的に母親には頭が上がらず、それほどケンカも強くない。
本名・安藤崇。マコトの高校時代からの友人で、池袋のストリートギャング・Gボーイズのキング。抜群のカリスマ性をまとい、常にクールで敵に対しては冷酷だが、ふとした瞬間に優しさを見せることもある。引き締まった体から繰り出す高速のパンチを喰らって立っていられる者はいない。ファッションセンスは抜群で、常にGガールズが取り巻いているが特定の恋人はいないようだ。
本名・斉藤富士男。マコトの中学の同級生で、いじめを受けて登校拒否になり、そのまま卒業。ぶらぶらしているところをスカウトされてヤクザになる。付き人をすることを命じられた組長の娘が暴行され殺されたときは、マコトの協力を得て仇を討つことに成功し、その後順調に出世した。組の部下を動かしてマコトの捜査に積極的に協力するなど頼りになる存在。