別册文藝春秋

2005年7月(258)号
6月8日発売 / 定価1500円(本体1429円)

新連載
皆川博子
「伯林蝋人形館1」
戦中ドイツ、美青年が綴った物語の背後には
岩井三四二
「大明国へ、参りまする」
足利義満の遣明船、船出前から不穏な動きが
竹本健治
「キララ、探偵す。」
美少女アンドロメイドとの悶々たる同棲生活
早坂暁
「君は歩いて 行くらん
―にっぽにあ・にっぽん 中川幸夫伝―
いけ花にすべてをささげる天才の激動の人生
■短編小説館
唯川恵「ささやかな誤算」ホステス珠子の前、飛び込んで来た女が……
■中篇短編
重松清「その日のあとで」
妻が逝った後の空を飾る大輪の花火――
森絵都「守護神」
大学の二部に通うフリーター。頼みの綱は
吉田篤弘「空ばかり見ていた」
雨にも風邪にも負けてきたわたしを救ったもの
森博嗣「さらに少し変わった子あります」
雨の日に思う―あの料亭は孤独を増幅させる
長野まゆみ「こうもり―あめふらし―
扉の奥には昭和四十二年の町並みが―
佐藤雅美
「御家人花房菊次郎の覚悟
―縮尻鏡三郎―
前代未聞の籠抜け。道を誤った御家人の末路
好評第二回
あさのあつこ
「ありふれた風景画」

異端視される女子校生の心はざわめいて──
井上荒野
「いちばん悲しい木曜」

教師との恋、嘘の告白……学園に渦巻く秘密
■長篇連載
横山秀夫「64(ロクヨン)
官舎前で三上は因縁の二渡と対峙したのだが
中山可穂「ケッヘル」
父子はさらに西へ流れる―終着駅はいずこ?
三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」
偶然会った母娘から行天の過去が明らかに
北森 鴻「血色夢(ちいろゆめ)
期限は迫る。伝説の赤石にたどりつけるのか
吉田修一「コンセプチュアル・デイズ」
藤崎慎吾「鯨の王」
酒見賢一「泣き虫弱虫諸葛孔明」
永瀬隼介「ひがちゃん―Dojo2―」
朱川湊人「スメラギの国」
榊 東行「共同体の殺人」
諸田玲子「木もれ陽の街で」
三浦明博「罠釣師
(トラッパーズ)
香納諒一「贄の夜会」
■連載エッセイ等
宮城谷昌光「深更通信
―クラシック 未知なる名曲を求めて
穂村弘「にょっ記」
杉田比呂美「五感のピクニック」
吉村昭(井の頭だより)「流しの歌手」
■コラム
[book trek]
楡周平「再生巨流」
古川日出男「ベルカ、吠えないのか?」
坂木司「切れない糸」
[癒しのスポット]
本谷有希子「見渡す限り猫ちゃん」
[会心の買い物] 山本甲士「アクアチタン」
[別冊フォトギャラリー] 池田宏彦