別册文藝春秋

2004年9月(253)号
8月7日発売 / 特価1500円(本体1429円)

恋愛小説館
唯川恵「無邪気な悪魔」
オフィスには秘密が隠されている――結婚を前に上司との不倫を清算したい朋絵だが…

柴田よしき「若紫」
タイムスリップして香子さまの助手となった小袖。実は『若紫』は小袖と同じ境遇で…

長野まゆみ「よろづ春夏冬中」
他人の傘をうっかり持ってきた市村の部屋に奇妙な男が現れる――『雨師』。ほか心騒ぐ掌篇二篇
重松清「誰かがいた海」
かつて二年だけ過ごした海辺の町。ずっとさけてきた地に 足を向けた俊治の心に去来するもの

佐藤雅美
「お構い者の行く末―縮尻鏡三郎―
気楽な一献の席に闖入してきた男。浅からぬ因縁が鏡三郎にも――過去の謎が露わに
中篇短篇

野中柊「光―あなたのそばで―」
生徒会長である僕の恋人は8歳年上の先生で

吉田篤弘「空ばかり見ていた」
度のずれた眼鏡が浜辺の記憶を呼びおこす

三羽省吾「厭世フレーバー─十七歳─
今時、女子高生ってだけでホント疲れる

近藤史恵「賢者はベンチで思索する」
バイト先で続いた変事の背景には―
新連載
山本幸久「凹組太平記」
弱小デザイン事務所で働く凪海にチャンスが訪れる。それは過去の凹組の傷を露わにして…
好評第2回
横山秀夫
「64(ロクヨン)
12年ぶりに訪れた未解決事件の被害社宅で…
森博嗣
「もう少し変わった子あります」
風変わりな料亭が用意する特別な食事の時間
宮城谷昌光「深更通信―クラシック未知なる名曲を求めて」
長篇連載
佐藤賢一
「褐色の文豪」

『三銃士』連載開始。デュマの栄華も頂点に

藤原伊織
「名残の火―てのひらの闇2―」

丸山を脅して聞きだした人物の経歴に堀江は…
吉田修一「コンセプチュアル・デイズ」
海月ルイ「十四番目の月」
香納諒一「贄の夜会」
森福都「漆黒泉」
榊東行「共同体の殺人」
夢枕獏「ダライ・ラマの密使」
宇佐美游「FOXY」
最終回
三咲光郎「忘れ貝」
五十嵐貴久「TVJ」
平安寿子「くうねるところすむところ」
池井戸潤「オレたちバブル入行組」
連載エッセイ等
杉田比呂美「五感のピクニック」
穂村弘「にょっ記」
吉村昭(井の頭だより)
「銀行にて」
コラム
[book trek]
山本兼一「火天の城」
長嶋有「パラレル」
浅倉卓弥「君の名残を」
白石公子「僕の双子の妹たち」
[癒しのスポット]
あさのあつこ「日常のファンタジー」

[会心の買い物]
冲方丁「透明な暗黒―ベネチアングラス」