国内・海外ミステリ2004


■国内作品■
『真夜中の神話』真保裕一
●コメント
今なお残る吸血鬼の伝説……神話の封印を解く旅が始まる。神秘の歌声を持つ少女を救え! インドネシアの大地を舞台に、真保裕一が描き尽くす、愛と再生のスペクタクル巨編!
●内容紹介
発端は航空機の墜落事故だった。その直後に、胸を刺し貫かれた首なし死体がチャイナタウンで発見される。アニマル・セラピーの研究者である晃子は、墜落現場から奇跡の生還を遂げ、自ら事件の渦中に突き進んでいく。そこで目にしたものは……新たなる神話の序曲にすぎなかった!
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『夏の名残りの薔薇』恩田 陸(本格ミステリ・マスターズ)
●コメント
山奥のクラシックなホテルで、毎秋開かれる豪華なパーティ。その年、不吉な前兆とともに、次々と変死事件が起こった。この殺人事件は真実か幻か!? 巧妙な仕掛けで読者に挑戦する渾身の一作。
●内容紹介
国立公園内の山頂にあるホテルで、旧財閥系の沢渡グループの沢渡三姉妹が仕切る豪華なパーティが、毎年晩秋に開かれる。姉妹の作り話を聞かされるために集まる親戚や関係者たちだが、そのつながりは不倫や近親相姦など複雑にからみあっていた。その年も開催されたパーティで、次々と起こる変死事件。映画「去年マリエンバードで」に触発され、重なり合うように生まれた不可思議な恩田ワールド。
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『サウダージ』垣根涼介
●コメント
この世界はくだらなく、無理解で、下衆で、無慈悲で、そして愛に満ちている。大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞の三冠に輝く気鋭が放つクライム・ノベルの金字塔!
●内容紹介
故郷を忘れ、過去を消した。誰にも打ち明けなかった。かつての仕事仲間からも追放された。一人になった。そんなときに出会った。コロンビアから来た金髪の出稼ぎ売春婦、DD。わがままで、金に汚い。道ばたに十円でも落ちているとすぐに拾おうとする。気分屋で、アタマも悪い。どうしようもない。そんな女に、何故かおれは惹かれてゆく。引き摺られてゆく。
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『サバイバー・ミッション』小笠原慧
●コメント
死者の記憶を再生せよ! 首狩り殺人鬼(ヘッドハンター)vs.女性捜査官・麻生利津。マルチ頭脳の横溝賞作家が、想像を超えたスリルと知的興奮で迫る、近未来サイコ・サスペンスの決定版!
●内容紹介
2013年東京。警察は殺人事件被害者の脳内に残る記憶をトレースするという画期的な科学捜査を開発していた。だが、その技術を嘲笑うかのように、首狩り殺人が相次ぐ。犯行現場には謎のカードと、古い風景写真。警視庁の新人捜査官・麻生利津は人工知能ドクター・キシモトの助けを借りて、プロファイルを基に犯人を追い詰めていくが……。
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『幽霊人命救助隊』高野和明
●コメント
自殺者の命を救え! 浮かばれない霊たちが、天国行きと引き替えに人命救助隊を結成、地上に舞い降りた。救うべきは、100人の命ーー。『13階段』の作者が贈る、怒濤の人命救助エンタテインメント!
●内容紹介
大学受験に失敗し首つり自殺した裕一は、幽霊となって天国と地獄の中間点にたどりつく。そこで同じ立場の八木、市川、美晴の幽霊と出会い、粗末にした命の弁償として神から奉仕活動を命じられる。天国行きと引きかえに、七週間の期限で自殺者百人を救えという命令のもと、東京に戻ってきた四人。支給された暗視ゴーグルをかけると、自殺志願者が判明し、早速救助活動を開始するが……。
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『幻影のペルセポネ』黒田研二
●コメント
気鋭のプログラマー各務秀則は、なぜ殺されたのか? 仮想世界と現実とを往き来する謎の殺人鬼! 「舌を巻くこのうまさ。いまや電脳空間も本格ミステリの領土となり、黒田研二の立てた旗が翻る」――有栖川有栖氏、絶賛!
●内容紹介
尊敬する先輩の死の謎を解くため、ネット上に構築された電脳空間〈惑星ペルセポネ〉にログインした来栖正孝は、秀則が〈ペルセポネ〉で操っていたキャラ《ノリリン》も仮想世界の中で惨殺されていたことを知る。やがて〈ペルセポネ〉の美少女《メグ》とともに犯人探しを開始した来栖を、虚実の世界 を往来する巨大な悪意が襲う!
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『リピート』乾くるみ
●コメント
『イニシエーション・ラブ』の乾くるみが放つ、『リプレイ』+『そして誰もいなくなった』の衝撃! 「掟破りのクローズド・サークル、四次元殺法《メビウスの環》! 限りなく本格ミステリに近い《思考実験の罠》が読者を待ち受ける」――法月綸太郎氏、唸る!
●内容紹介
「リピート」――それは、現在の記憶を保ったまま過去の自分に戻って人生をやり直す時間旅行のこと。様々な思惑を胸にこの「リピート」に臨んだ十人の男女が、なぜか次々と不可解な死を迎えて……。独自の捜査に着手した彼らの前に立ちはだかる殺人鬼の正体とは? あらゆるジャンルの面白さを詰めこんだ超絶エンタテインメント登場!
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『希望』永井するみ
●コメント
5年前に老人を次々と殺害した少年が、少年院から戻ってきた。母親や刑事、カウンセラー、被害者の孫たちを巻き込んで、やがて起きる新たな事件ーー。著者会心の長篇エンタテインメント。
●内容紹介
老婦人ばかりを狙った連続殺人事件。被害者は腕に「たいへんよくできました」のスタンプを押されていた。犯人は、当時14歳の少年だった中瀬川友樹。その友樹が5年ぶりに社会に復帰したとき、周囲のさまざまな人々は、それぞれの思いを胸にその日を迎えた。退院早々、友樹は何者かに襲われ、また母親の陽子も危害を加えられた。衝撃的な少年犯罪の波紋は、周囲の人々の人生を変えてゆく……。
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『二人道成寺』近藤史恵(本格ミステリ・マスターズ)
●コメント
歌舞伎の世界を舞台にした「ねむりねずみ」「桜姫」などを発表してきた鮎川哲也賞受賞作家が書き下ろす梨園の名探偵・今泉文吾シリーズの最新作!
●内容紹介
大学で近世文学を専攻、N大の講師をしていた今泉文吾は現在、大学の仕事を辞め、私立探偵をしている。大学の同級生で歌舞伎の大部屋の女形役者をしている瀬川小菊の協力を得ながら、難事件の解決に挑む。不審な火事が原因で意識不明となった歌舞伎役者の妻・美咲。その背後には二人の俳優の確執と、秘められた愛憎劇がーー。「摂州合邦辻」に託された、ある思いとは?
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『株価暴落』池井戸潤
●コメント
巨大スーパー・一風堂を襲った連続爆破事件。企業テロを示唆する犯行声明に株価は暴落する。これは銀行の存在を賭けた戦いだ! 乱歩賞作家が放つ、傑作金融エンタテインメント。
●内容紹介
業績不振の一風堂に対してメーンバンクの白水銀行は既に五千億の債務放棄、追加支援二千億を融資していたが、更なる緊急追加支援要請をめぐって、審査部の坂東は企画部の二戸と激しく対立する。一方、警視庁の野猿刑事の元に爆破事件の犯人の名を告げるタレコミ電話があった。名指された男の父は一風堂の強引な出店により、自殺に追い込まれていた……。
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『幽霊博物館』赤川次郎
●コメント
殺人犯はつかまえるけど、幽霊は怖いんです……。絶好調「幽霊シリーズ」5編を収録した本書は、シリーズ17冊中でも、有数のコワさ!!
●内容紹介
「うちには幽霊が出るんだよ!」人気推理作家の言葉に好奇心が首をもたげ、彼の邸宅を訪問した宇野警部と夕子。モダンな屋敷には、作家の美しい妻がいた。彼女は霊と会話ができるという。そのとき、誰もいないはずの二階の部屋から内線電話が。受話器から聞こえた声は? そして銃声!
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『人間の天敵』森村誠一
●コメント
裏切りと、悪意にとらわれる人間たち。人は、人を信じることはできないのか。作家生活40年、森村誠一が、さまざまな欲望が人間を動かし、相互に天敵同士となる現代社会を描く。この社会の病触に特効薬はあるのか。悲願を込めて描いた社会派ミステリー。
●内容紹介
椎津はホテルの苦情処理係を担当している。妻との間は冷えきっており、息子と娘からも蔑ろにされている。妻が不倫をしているのではないかと疑いを持っていたところ、別のホテルの地下駐車場で車に乗った妻の死体が発見された。椎津はホテルマン同士の人脈を利用し、当日妻と宿泊していた男を割り出そうとするが……(「人間の天敵」)。他3篇を収録。
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『紅楼夢の殺人』芦辺拓(本格ミステリ・マスターズ)
●コメント
ひとりの貴公子と可憐な美少女たちが遊ぶ人工の楽園「大観園」で絢爛たる殺人絵巻が! 中国最大の奇書「紅楼夢」を舞台に、著者が放つ入魂の本格巨篇。
●内容紹介
ところは中国。栄華をきわめる貴族の邸内に、人工の理想郷「大観園」が築造された。楽園で詩に演劇にと戯れる若き貴公子と可憐な美少女たち。幸福な日々は永遠にも続くかと思われたある日、理想郷を血の惨劇が襲った。衆人環視の中で少女を襲い煙のように消える犯人、空を飛ぶ被害者、花畑の中に突如出現する死体、甦って少女を襲う死者といった不可能犯罪の数々……。
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『クロス・ゲーム』中野順一
●コメント
ゲーム。チャット。仮想世界の中で愛と憎しみが生まれる。「セカンド・サイト」で第20回サントリー・ミステリー大賞を受賞した著者が放つ、待望の受賞後第一作!
●内容紹介
不安の種が頭をよぎる。己の分身を仮想世界に送り込み、チャットで会話を交わす二人。今はまだいい。遠距離恋愛という特殊な状況下においては、こういう付き合い方も、ある意味ロマンチックだ。しかしこの距離の壁が取り払われたらどうなるか。おれたちは以前のような、ごくありふれた恋人同士の姿にもどれるのだろうかーー。
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『FLY』新野剛志
●コメント
すべてはあの夏の「出会い」から始まった。恋人を目の前で殺された男が犯人を執念で捜し続ける。15年の歳月の果てに判明する衝撃の真相! 気鋭の乱歩賞作家が、心の絆の強さを問う、長篇ミステリー。
●内容紹介
1985年、北九州の若松市で高校生の向井は、公園で戸浦という男と出会う。東京に引っ越すことになった向井は戸浦が指名手配の殺人犯であることに気づき、警察に通報するが、戸浦は逃走する。やがて東京で、向井は目の前で恋人を戸浦に殺される。なぜ戸浦は彼女の行動を知っていたのか。さらに起きる数々の怪事件。戸浦を追う向井の執念の日々ーー、謎が謎を呼ぶ、壮大なミステリーが開幕する。
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『壁のない密室』石井竜生・井原まなみ
●コメント
いま、学校が、事件です。教科書騒動、不毛な対立、イジメ、セクハラ、不倫、密室殺人? ちょっとヘンな教師たちを相手に孤軍奮闘、元警察官・志保の推理が冴える! 日本の教育現場の歪みに警鐘を鳴らす、書き下ろし長篇ミステリー。
●内容紹介
元警察官の三輪志保は夫を亡くし、公立小学校の用務員となった。そこで出会う教師たちは皆どこかおかしく、世間の常識からズレている。校長と教頭・教師たちの不協和音が続くなか、開校百周年という記念すべき行事の日に、理科準備室の中の写真現像室で火災が起き、校長は焼死する。なぜ校長は密室に入り込んだのか? 犯人は不良生徒か、教員か、PTAの人間か、それとも……?
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『事件の年輪』佐野洋
●コメント
老境を迎えた主人公たちの日常に時を超えて甦る「昭和の謎」。推理小説のベテランが描く、円熟の短篇ミステリー、全10篇。
●内容紹介
ある者は役員定年を迎え、ある者は習い事やボランティアにいそしみ、ある者は残り少ないであろう同窓会を楽しみにするーー古希の声を聞き、あらためて自らの人生を振り返る男たちの前に、戦中戦後の出来事が、時間を超え、解決を待つ謎となって甦る……。
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『蒼煌』黒川博行
●コメント
次期芸術院会員の座を狙う日本画家の室生は、現会員らへの接待攻勢に出る。名誉のために手段を選ばぬ彼に、周囲は翻弄されていく。美大出身の著者が日本画壇の裏側を描いた問題作。
●内容紹介
日本画家・室生晃人のライバルは、同じく邦展理事の稲山健児。室生は京都画壇の代理人と呼ばれる男を選挙の参謀に立て、現会員らへの接待攻勢に打って出る。その師のために奔走する書生役の中堅画家や、振り回される家族たち……。日本画に魅入られ、この世界に足を踏み入れながら、名誉のためには手段を選ばない派閥抗争の巣と化した伏魔殿ーー日本画壇の姿を描いた特異な長篇小説。
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『アキハバラ@ディープ』石田衣良
●コメント
社会からドロップアウトした6人の若者が開発したサーチエンジン「クルーク」。ネット上で人気を高めていく彼らに巨大企業の影が……。人気絶頂の石田衣良が描く、アキハバラ・ネット・ウォーズ!
●内容紹介
秋葉原のおんぼろビルの一室で立ち上げられた若者たちの会社「アキハバラ@ディープ」では、重度の吃音者「ページ」、女性・不潔恐怖症の「ボックス」、発作の持病をもつ「タイコ」、スーパー美少女「アキラ」、16歳の天才プログラマー「イズム」、元ひきこもりの「ダルマ」が、不眠不休で働く。彼らが数々の試練や妨害に立ち向かいながら、秋葉原の伝説の勇者となって行くサクセスストーリー。
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