── そんな伊藤さんの“好きなあんこベスト3”は?

伊藤

うっ。それは、無理に3つ選ぶというべき、至難の作業ですね。それくらい魅力的なあんこが多い。

「下河原 阿月」のぜんざい

「下河原 阿月」のぜんざい、 「大黒屋」の鎌餅、「今西軒」のおはぎ、こしあん、つぶあん、の2種。

「大黒屋」の鎌餅「今西軒」のおはぎ

あんこ、というとてもシンプルな素材ながら、「どうして、こんなに奥が深い???」と不思議に思うほど、京都あんこのバリエーションといったら!! 「あんこを食べに行く京都」。ただそれだけの目的で京都を訪れるだけの価値ありです。

―― いろいろと「おいしい」出会いもあったようですが、手みやげを買って帰るとしたら、何にしますか?

伊藤

すぐに会う人なら「月餅家直正」のわらび餅などの生菓子。
送れないものほど、手みやげとしては喜んでもらえるから。数日後に会う人には「大極殿」の“おちょぼ”を。
小さいし、軽いし、箱を開けた時に「わあ!」とだれもが喜んでくれます。

「月餅家直正」のわらび餅 「大極殿」の“おちょぼ”

京都というと、和菓子というイメージだけど「ミディ・アプレミディ」の“おばあちゃまのタルト”もいいですねえ。ネーミングがチャーミングだし、なんといっても、ものすごくおいしいもの。
「亀屋良永」の御池煎餅も。これ嫌いな人いないから。子どもにも人気ですよ。
あと、食べ物ではないのですが、「有次」の菜箸なども。使いやすいし、これも、だれもが喜んでくれるものです。軽くて日持ちもする(?)し、重宝します。

「ミディ・アプレミディ」の“おばあちゃまのタルト” 「亀屋良永」の御池煎餅「有次」の菜箸

―― 伊藤さんは、朝からバリバリ行動されると伺いましたが。

伊藤

はい。朝は早いです。朝ごはんも楽しみですから。

―― 京都で食べたい朝ごはんといったら?

伊藤

なんといっても、「イノダ」で、定番珈琲のアラビアの真珠と、ハンバーグサンド。またはトーストとマッシュルームスープとか、ですかね。
京都に来たからには行っとかんと、というくらいイノダでの朝ごはんは欠かせません。お気に入りは本店旧館の赤いテーブルクロスがかかった窓際の席ですが、なかなか座れない人気の席。なぜか娘と一緒だと座れる率が高いんです。
「スマート珈琲店」ではホットケーキとカフェオレ。この前はハムサンドとオレンジスカッシュという組み合わせを娘が頼んでいて、これもなかなか。食パンがかつて食べたことがないくらいふわっふわでした。

「イノダ」アラビアの真珠「スマート珈琲店」ホットケーキとカフェオレ

―― 伊藤さんは、お気に入りのお店や場所をリピートするタイプ?

伊藤

そうですね、「これははずしたくない」という場所はいくつかあります。
「イノダ」もそうだし、一乗寺の本屋「恵文社」、それから「鴨川」。
マイ定番です。

恵文社鴨川

―― 本では、そういった、伊藤さんが大好きなお店や場所が、エリア別に紹介されているのですね。

伊藤

好きなエリアを、実際に歩きながら、「ああ、気持ちいい」「これ、かわいい」「あれ、食べないと」って取材をしました。訪ねた場所やお店は、初めてのところもありますが、多くは「私の好きな京都」です。
河原町や三条通など、ギュッと凝縮されたエリアもあれば、鷹峯や哲学の道など、歩いては寄り道、歩いては寄り道、といったエリアもあって、コースはさまざま。巻末に地図がついていますので、思い思いに歩いて、自分の好きな京都、散歩道をみつけてみてください。 また、すぐに京都に行きたくなっちゃいますよ。

三回にわけて伊藤さんのインタビューをお届けしましたが、ここに登場した場所や伊藤さんお気に入りの定番はほんの一部。詳しくは『京都てくてくはんなり散歩』でお楽しみください!

[ 2008.11.12 更新 ]

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