文藝春秋 採用案内2018

国際局翻訳・特別企画出版部 2013年入社、第一広告部配属。2014年より現職

英会話教室仕込みの英語を駆使して、海外出版社と契約をまとめる。出版社の仕事は、みなさんの想像以上に強烈です(笑)。

現在の仕事内容

国内外を問わず、常にアンテナを張る

 単行本の編集をしています。担当しているのは、国内・翻訳ノンフィクションです。
 国内ノンフィクションでは、新聞記者から大学教授、フリーライターから芸能人まで、分野を問わず、とにかく「面白い本を書いてくれそうな人はいないか」「こんなテーマで原稿を書ける人がいないか」を探します。アンテナに引っ掛かった人がいればすぐにコンタクトをとり、会いにいきます。そこから企画を具体化していき、社内の会議等でGOサインが出れば、正式に執筆を依頼する、というのがだいたいの流れです。
 翻訳ノンフィクションは、基本的には年2回、海外出張をして本を仕入れます。出張中は、海外の出版社・権利元をくまなく回るため、1日4、5件のアポを1~2週間こなしつつ(ミーティングは全て英語!)、面白い本や企画がないかを探します。
 単行本の場合、企画のスタート(執筆/翻訳開始)から、その本が書店に置かれるまでに、およそ半年はかかります。そのため、本作りにあたっては、「半年後、このテーマにどれだけの需要があるか」という視点を持ち続けることが大切です。
 担当している本のスケジュールによって忙しい時期はまちまちですが、基本的に土日は休みです。

私のスケジュール

  • 11:00

    出社

    新聞とネットで一通りニュースをチェックしてから出社。今後のプロモーションについて急ぎ相談するため、海外の著者にメールを送る。向こうはいまごろ夕方の6時。タイミングが良かったのか、すぐに返信が来て一安心。

  • 12:00

    原稿チェック

    翻訳者の方から原稿が届く。読み進めていくと、気になる訳語を発見したので、上司に相談する。そのまま日本語にするとわかりにくいので、ここは思い切って意訳することに。

  • 14:00

    サブ・エージェントと打ち合わせ

    サブ・エージェントとは、海外の本を紹介してくれたり、海外の出版社との契約・やり取りを仲介してくれる会社のこと。今日はイングリッシュ・エージェンシーへ。まだ現地でも発売されていない時事モノの企画を教えてもらう。

  • 16:00

    入稿作業

    『米中もし戦わば』を入稿する(原稿を印刷所に渡す)ため、作業を進める。ワードでまとめた原稿を印刷し、各ページに「ここは9ポイントの明朝体」「ここは2字下げで9ポイントの教科書体」などと、一つ一つ指定を入れていく。地味で時間もかかる作業だが、本の見栄えが決まる大事な工程なので力も入る。

  • 18:30

    テレビ局へ売り込み

    発売前の本をもって、テレビ局へ。本の面白さを伝えつつ、「番組で取り上げてもらえませんか」と売り込む。プロデューサーの方と話しているなかで、新たなアイデアを思いつくことも多い。ひとまず、1週間ほどで企画の可否を検討してもらうことに。

  • 20:00

    新聞記者と夕食

    仕事を切り上げ、神田の居酒屋へ。久々に会う新聞記者の方と気楽な夕食。話題はあちこちに飛び、話し込んでいるうちにいい時間に。明日は朝から取材があるとのことなので、今日は一軒目で解散。帰ったら家で映画のDVDでも観よう。

最も印象深い仕事

タイムリミットめがけて全力疾走!

 国内ノンフィクションでは、『捏造の科学者 STAP細胞事件』が、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞したこともあり、特に印象に残っています。今の部署に異動した初日に、毎日新聞の須田桃子さんに「お会いできませんか」との手紙をお送りしたときのことは、今でもはっきりと覚えています(その後も手紙を送ること一回、電話すること十数回……。そして、最前線で取材を続ける須田さんにアポをとることができました)。
 翻訳ノンフィクションでは、ワシントン・ポスト取材班の『トランプ』が印象深いです。この本は、とにかく時間との戦いでした。アメリカで8月23日に出た本の邦訳を、10月8日に刊行すべく、5人の翻訳者の方々と一緒に、とにかく全力疾走し続けました(編集の山場だったお盆前後の記憶は、ほぼありません 笑)。その甲斐あって、11月に大統領選の結果が出たときには、既に書店に並んでいる、という状況を作ることができ、多くの方に手にとってもらえる本になりました。

志望者のみなさんへ

「翻訳の部署にいるということは、もともと英語ができたんですか?」と、よく聞かれます。「はい」と即答できたら格好良いのですが、そんなことは全くなく、実は会社に入るまで海外には一度も行ったことがないような人間でした。国際局への異動が決まってから英語を勉強し直し、約半年後には初海外となるニューヨーク出張に臨みました。いきなり一人で飛行機に乗り、タクシーに乗り、地下鉄に乗り……。通訳もいないなか、英会話教室仕込みの英語をなんとか駆使して、現地の出版社を回りました。もちろん大変だったのですが、その中に意外と多くの楽しさがあったのも事実です。
「出版社の仕事」というと、皆さんそれぞれ、なんとなくこんな感じかな、というイメージを持っているのではないかと思います。ただ、実際に入ってみると、それを超えるほど刺激的というか、強烈というか、そんな現実が待っています。そんな世界もなんだか面白そう、と感じてしまえる方と、一緒に働きたいなと思います。