文藝春秋 採用案内2018

文藝出版局第二文藝部 2009年入社、「CREA」編集部配属。2012年より現職

「活字を読むこと・書くこと」と「人とのお付き合い」が好き。そんな人にとって文藝春秋はかなり楽しい職場です。

現在の仕事内容

単行本編集は、息の長い仕事です

 単行本を編集する仕事をしています。「オール讀物」や「別冊文藝春秋」など雑誌の連載をまとめるものと、書き下ろし原稿を直接いただいて本にするものの二種類があります。雑誌で連載されていた作品も、一冊にまとめるときには全体に目を通し、改稿のご相談をすることがほとんどです。
 息の長い仕事が多く、原稿をお願いしてから実際に本が刊行されるまで5、6年かかることも珍しくありません。前の担当者がお願いしていた作品を次の担当者が受け取る、ということもよく起こります。
 作家の方やデザイナーと相談しつつ、装丁を決めるのも単行本編集者の大切な仕事です。原稿からイメージを膨らませて、写真やイラストを選び、本の厚さや重さなどにも気を配って一冊の本を仕上げます。満足のいく形で出来上がった本が書店に並ぶのを見ると達成感があり、ついSNSなどで感想サーチをしてしまいます。

私のスケジュール

  • 10:30

    出社

    メールの返信や郵便物、印刷所からの出校物のチェックなど。本文のゲラや装丁の色校正が出ていたら、社内のデザイン室に持って行ったり校閲部に持って行ったりと動き回ります。

  • 13:00

    取材同行

    担当した本『ドローン・スクランブル』に週刊誌から取材依頼が入ったので、著者の未須本有生さんのインタビューに同席。先方の担当の方とご挨拶をして、いつごろの掲載になるか、原稿チェックのスケジュールはどうなっているかなどを確認します。
    新聞や雑誌、ラジオへの露出が売れ行きの鍵でもあるので、カルチャーページやコーナーがある媒体には、本が完成すると同時に見本を送って売り込んでいます。

  • 15:00

    資材部との打ち合わせ

    資材部と相談しながら、次に刊行する本に使う本文用紙や表紙のボール紙の厚さを決め、発注。使う紙によってその本の重さや厚さが決まります。本の内容と外見が合うように、また、より手にとりやすくするために何種類か見本をとって判断することもあります。ハードカバーにするかソフトカバーにするか、スピン(しおり)をつけるかつけないかも大事な要素です。

  • 16:00

    原稿やゲラを読む

    まとまった時間を作って生原稿や、それを印刷所に入れて実際の本と同じように文字を組んだゲラを読みます。気になったところにチェックを入れ、後日著者の方とお会いしたときに、一つ一つ確認していきます。新しい原稿をいただいたときは、できるだけ早く読んでお返事をするように心がけています。

  • 20:00

    退社。書店に寄って帰宅

    書店でどんな本が平積みされているかチェックしつつ帰宅。家でも担当する作家の方の新刊や、趣味の本を読んでいます。

最も印象深い仕事

入社わずかで読書特集を担当

 新卒時、「CREA」編集部に配属されたのですが、入社三ヶ月くらいで「読書特集」の企画を担当したことをよく覚えています。いきなり伊坂幸太郎さん、道尾秀介さん、米澤穂信さん、初野晴さん(雑誌の掲載順)に取材させていただきました。熟練のライターさんと一緒だったとはいえ、いきなりこんな大事なページを任されるのか!というのが衝撃的でした。上にあげた方とは全員、現在もお付き合いがあります。伊坂幸太郎さんとは『死神の浮力』『キャプテンサンダーボルト』でご一緒させていただき、道尾秀介さんは『スタフ staph』を担当させていただきました。米澤さんと初野さんにも原稿を依頼中で、近々、形になる予定です。 「CREA」2009年9月号の「読書の魔力」特集より

志望者のみなさんへ

 出版業界、特に文芸の仕事を目指す人は、学生時代にとにかく本をたくさん読んでおくことをおすすめします。文芸編集の仕事を始めて気づいたのですが、学生時代の読書は、タイトルが思い出せなくても、内容がおぼろげでも、確実に自分のなかに蓄積しています。文芸書だけではなく、ノンフィクションや学術書など、読んで損になるものはない、と思っています。会社に入ってしまうと自分の仕事と関係があるものを読むのに忙しく翻訳小説などになかなか手がのびないのが悩みで、もっと読んでおけばよかった、と後悔する毎日です。
「活字を読むこと・書くことが好き」「人とのお付き合いが好き」の二つを兼ね備えた人にとっては、文藝春秋はかなり楽しい職場だと思います。