文藝春秋 採用案内2018

「文藝春秋」編集部 2011年入社、「週刊文春」編集部配属。2015年より現職

何かを成し遂げた経験がなかった自分。入社後、目の前の世界が一気に広がりました。

現在の仕事内容

「単純作業」はありません

「月刊誌の編集」という仕事は多岐にわたります。連載を担当している有名な作家が書いた原稿を貰う。大物政治家や社長、芸能人などにインタビューをして原稿にまとめる。新聞記者のように、取材対象にアポなしの取材、張り込みをする――。「単純作業」がまったくない、決して飽きることのない仕事です。
 月頭(一日~三日くらい)に企画会議があり、その月に担当する記事が決まります。中旬(十五日~十七日くらい)に見直し会議。例えば、「米国大統領選でトランプ氏が当選する」など緊急的な事件・事象があった場合は、急遽、新たな企画をスタートさせます。そして、月尻(二十五日~三十日くらい)に校了があります。校了とはゲラ刷りの最終形を印刷所に渡す日のこと。校了は二日間ですが、最終日の夜、すべてが終わったあとに編集部内の大テーブルでささやかな飲み会があります。編集部員みんなで、その月の仕事をふり返りつつ談笑する(大半はバカ話ですが)楽しい時間です。

私のスケジュール

  • 10:00

    メールチェック

    この日は、撮影で滞在している佐賀県の旅館からスタート。前日に某女優の事務所に送った取材依頼に「受けます」との返信あり。

  • 11:30

    撮影&取材

    グラビア企画「日本の顔」の撮影&取材。昨日に引き続き、有田焼の巨匠で人間国宝の井上萬二さんに取材をする。

  • 17:00

    帰社後、資料集め

    長崎空港から飛行機で帰京し、そのまま会社へ。本社三階の資料室で資料を集める。

  • 18:00

    原稿執筆

    先ほど集めた資料を見ながら、本社地下一階のラウンジで先日インタビューした大物経営者の原稿をまとめる。三分の一まで終えていたものを、三分の二くらいまで書き進める。

  • 20:00

    会食

    赤坂にて先月号の記事に登場してもらった某タレントとマネージャーと打ち上げの会。芸能界のウラ話などを聞く。

  • 24:00

    終電にて帰宅

最も印象深い仕事

災害報道の現場で

 二〇一六年四月の「熊本地震」で自らも被災しながら懸命な取材活動を続けた地元紙・熊本日日新聞の一週間を描いた記事『ドキュメント 熊本日日新聞編集局』(二〇一六年六月号)。私は、地震発生直後に熊本に行って、約二十名の「熊日記者」に取材をしました。自宅が半壊しても、実家と連絡が付かなくても、叔父を亡くしても、決して取材をやめなかった彼らの姿には胸を打たれました。また、同年代のある記者は、自分の取材で大変な中、南阿蘇村の土砂崩れの現場や崩落した橋があった場所まで連れて行ってくれました。「被災者」でありながら「取材者」でもある彼らの葛藤を、どのように原稿に落とし込めば良いのか。滞在していた博多のホテルでパソコンと悪戦苦闘しましたが、結果として、良い記事になったと思います。

志望者のみなさんへ

 学生時代に「これを成し遂げた」と言えるものがない人、大歓迎です。やりたいことは会社に入ってからでも、十分見つけることができます。私自身、大学時代はサークルにも入らず、毎日当てもなく街をぶらぶらしていました。就活でも特に自慢できる経験はありませんでしたが、唯一、本や雑誌を読むことが好きでした。この想いだけで、出版社を目指しました。そして会社に入ったあと、今までまったく聞いたことも見たこともない領域の取材をさせてもらい、目の前の世界が一気に広がりました。「こんなに面白いモノがあったんだ」と。どんなことにでも興味が持てて、「これって、面白いかも」と思えることが一番大切です。