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文學界

「文學界新人賞」を舞台に、多くの才能を輩出してきた純文学雑誌

担当者が選ぶ2016イチオシ企画

「コンビニ人間」(6月号)

 初対面なのに「競馬に行きませんか」と村田さんをお誘いしたのは、まだ担当ではなく、純粋に作品が大好きでお話ししたかったからでした。晴天の競馬場で村田さんと飲んだビールがとてもおいしかったのを、5年経った今でも時々思い出します。なかばナンパするように近づき、いつか一緒に小説を作りたいと胸に秘めていた思いが、「コンビニ人間」として形になったことは、編集者として最高の幸せでした! だから編集者はやめられません。(担当:A)

編集長メッセージ

才能の「原石」を探して

 コンビニエンスストアという、誰もが日常出入りしている場所を舞台にしながら、今まで誰も読んだことのなかったユニークな世界を描き出したのが、村田沙耶香さんの「コンビニ人間」(第155回芥川賞受賞作)です。
 単行本も50万部を超えるベストセラーになりましたが、この「コンビニ人間」がはじめて発表されたのは、「文學界」2016年6月号でした。
 ちなみに同じ号には、中村文則さんがミステリー的手法で人間の闇に迫った「私の消滅」、津村記久子さんのユーモラスな傑作短編「浮遊霊ブラジル」なども掲載されています。
 つまり、「文學界」という雑誌は、単行本よりかなりお得な価格で(!)、文芸の最先端に触れることができるスグレモノなのです。

 また、創作以外にも、多様な特集をほぼ毎号掲載しています。
「映画 美女と色男」(同11月号)では、黒沢清監督や歌手・俳優の荒木一郎さんにロングインタビューを試みました。選挙権年齢の引き下げに際しては、「民主主義の教科書」(同7月号)という特集を組み、内田樹さん、国谷裕子さん、いとうせいこうさんなど多彩な筆者にご登場頂きました。

 マスメディアでは、多くの人に支持されそうなものを、後追いで「いいね!」する方が無難、という傾向が強くなりつつあるような気がします。その中で、純文学の世界は、最初は少数の読者しかいなくても、思いっきりトンガった「原石」を世の中に「どうだ!」と提示することができます。それが結果として大ベストセラーになることがあるのだから、まったく痛快です。

 小説を愛し、冒険心にあふれた人を歓迎します。

「文學界」編集長
武藤 旬

  1年目「週刊文春」編集部
10年目「文藝春秋」編集部
20年目 文藝局第一文藝部
2014年から現職