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圧倒的な取材力と多彩な連載を擁し、12年にわたり総合週刊誌トップを走る
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担当者が選ぶ2016イチオシ企画

「告発スクープ 舛添知事『公用車』で毎週末『温泉地別荘』通い」(5月5日・12日ゴールデンウィーク特大号掲載)

「とにかくカメラ持ってすぐに湯河原へ向かってください!」
 GW特大号の校了3日前の4月22日(金)。写真部のAカメラマンに対し、私はムチャクチャな指示を出していた、らしいです。かなり焦っていたので、どんなことを電話で話したのか、はっきり覚えていません……。これが、2カ月後、辞任に追い込まれる舛添氏の「公用車」問題スクープのはじまりでした。

 その1時間ほど前、情報公開請求によって舛添都知事の「庁有車運転日誌」を入手しました。この「日誌」には公用車の移動経路が克明に記されていました。数百枚に及ぶA4書類を都庁近くのカフェでめくっていると、温泉地として名高い湯河原の別荘を毎週、訪れていることが確認できたのです。
 あわててIデスクに連絡すると、校了まで3日に迫ったGW特大号で記事を掲載するとのこと。再び「運転日誌」を見れば、毎週金曜、舛添氏は湯河原に向かっています。紙袋を抱えながら急いで都庁に戻ると、ちょうど舛添氏が黒塗りの公用車に乗り込むところでした。ナンバー、車種を確認の上、会社で待機していたAカメラマンに湯河原に向かってもらうようお願いしたのです。
 そして3時間後、別の取材で静岡出張していたG記者も加わり、舛添氏の別荘訪問シーンを無事にカメラに収めることができました。

 これを皮切りに、「週刊文春」は、8週にわたって「舛添キャンペーン」を掲載。そして約2カ月後の6月15日、舛添氏は辞表を提出するのです。その後の「都知事選」、「小池劇場」、「豊洲市場移転問題」という怒涛の展開を目の当たりにしながら、「週刊文春」という雑誌を作る責任を痛感させられます。(担当:N) 地道な調査と情報収集の積み重ねこそが、社会に大きな影響を及ぼす記事に繋がる。

記者の仕事やスケジュールは、特別讀物「『週刊文春』若手記者の1週間を密着撮!」で近日公開予定です。

編集長メッセージ

スクープの謎

「週刊文春はなぜスクープを連発できるんですか?」
 最近、そんな質問をよく受けます。
 答えはいつもいたってシンプル。
「そりゃ、スクープを狙っているからですよ」
 最近、メディアを取り巻く環境が厳しい、とか、「雑誌は冬の時代」などという記事をよく目にします(私自身、悲観論は大嫌いなので決して口にしませんが)。そうした状況の中で、手間も暇もお金もかかる調査報道に対して、新聞・テレビ・雑誌が消極的になりつつあるのは確かだと思います。さらに言えば、名誉毀損の訴訟を起こされるリスクもあるし、スクープだから売れるというわけでもない。つまり割に合わないということでしょう。

 そんな流れに逆行するように、私は2012年、編集長に就任以来、「週刊文春の最大の武器はスクープである」と言い続けています。誤解のないように言っておくと、これは何も私が特別なのではなく、もともと週刊文春はそういう雑誌なのです。ロス疑惑や、統一教会批判キャンペーンなど、調査報道によるスクープを世に問うことで存在感を示してきました。
 情報の取り方、資料の読み込み方、確実に裏を取る方法や、張り込みのノウハウなど、同じ現場を踏むことで、先輩から後輩へと脈々と受け継がれてきたのです。

 毎週ニュースを送り出す私たちにとって、最大の財産は読者の皆さんからの信頼です。2016年は年始からベッキーさんの熱愛、甘利大臣の金銭授受、育休議員の不倫と、立て続けにスクープが出て、完売したこともあり、「週刊文春が書いているなら本当だろう」と評価してくださる方がずいぶん増えた実感があります。これは本当にありがたいことです。

「2016ユーキャン新語・流行語大賞」には「文春砲」、「センテンススプリング」、「ゲス不倫」がノミネートされた。表彰式には、「週刊文春」記者の文春(ふみはる)くんが、張り込みに支障が出ないように、まさかの〝覆面姿〟で登壇。  出版界では、「紙の雑誌は消える」とか、「ネット上ではニュースでお金を取るのは無理」といった悲観論もよく聞かれますが、私はそれにも与しません。
 読者の皆さんが週刊文春の記事に「お金を払ってでも読みたい」という価値を認めていただければ、紙だろうが、デジタルだろうが、ビジネスは成立すると考えています。いまはスクープ力をさらに磨きつつ、コンテンツを効率的にマネタイズする方法を確立していく変革期なのです。
 こんな刺激的な現場で、ともにメディアの未来を切り開きたいという気概を持った皆さんの参戦を切望しています。

「週刊文春」編集長
新谷 学

  1年目「Number」編集部
10年目「カピタン」編集部
20年目 文春新書部
2012年から現職