クイールをとりまく人びと
第3回 訓練士、多和田さん
多和田さんと訓練センターのみなさん
今回登場していただくのは、クイールを盲導犬に育てあげた訓練士の多和田悟さんと関西盲導犬協会総合訓練センターで働いている若き訓練士の皆さんです。

多和田さんは本の中でもふれられているように「魔術師」と呼ばれる訓練士です。
多和田さんを知る人は「あの人は人間じゃなくて、ほんとは犬なんじゃないか」というほど、犬の気持ちのわかる方なのです。

クイールと多和田さんが出会ったのは1986年、民家を改造した関西盲導犬協会の訓練所センターが、まだ京都市内にあったころでした。現在の訓練センターは京都郊外、亀岡の駅から車で20分ほどの豊かな自然に囲まれた場所にあります。

6年間オーストラリアのクイーンズランドにある盲導犬協会に招聘されて、訓練センターの設立に関わり、訓練と繁殖のマネージャーとして活躍なさった多和田さんですが、昨年11月末に帰国し、現在は関西盲導犬総合訓練センター、シニアコーディネーターに就任されました。

訓練センターには、4人の男性の訓練士(歩行指導員)とパピーウォーカー担当の女性1人、犬舎担当の女性1人の計6人が、朝7時から夜6時まで、25頭の犬たちと共に過ごしています。犬たちだけを置いておくわけにはいかないので、週に1回は宿直もしなければならないのです。宿直は、前夜の夜9時に犬たちを排便させ、朝は他の職員が来る前にまた排便させます。そして、犬用の朝食を用意しておくのが仕事です(関西盲導犬協会では日に2回犬に食事を与えています) 。
訓練センターの犬舎

上の写真は訓練士の皆さんと現在訓練中の犬たちです。真ん中に映っている 白い犬を連れた方が多和田さん。この美しい白い犬はイギリス生まれのオーストラリア育ち、多和田さん家族と一緒に日本に来た「バーティー」です。日本では大変稀少なパールホワイトの長い毛をしたゴールデン・リトリーバーです。バーティ−は繁殖犬になる予定なので、ひょっとしたら、その子どもが盲導犬として育つかもしれません。
ご紹介した方たち 第1回 生ませの親、水戸さん
第2回 パピーウォーカー、仁井さん
第3回 訓練士、多和田さん
第4回 盲導犬仲間ジョナ
第5回 使用者 渡辺さん
ご挨拶/What's new◎著者からひとこと◎クイールをとりまく人びと◎クイールの未公開フォトギャラリー
「盲導犬クイールの一生」ってどんな本?◎書店さんからのお薦めメッセージ◎盲導犬育成のための寄付&リンク
「天国に届け!『私のクイール』手紙大募集」◎壁紙ダウンロード◎書誌データ◎文藝春秋HP
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