プロフィールインタビュー

「お菓子」じゃなく「おやつ」

「本の話」2010年5月号より


なかしましほさん

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なかしましほさんのレシピ集『おやつですよ』が発売されます。タイトルに「おやつ」とありますが、これはお菓子でもスイーツでもなく、「おやつ」なのですね。

なかしま

お菓子の注文を受けて作るという仕事もしているのですが、私が作るのはいわゆるパティシエが作るデコレーションされたケーキのようなものではなく、ビスケットや白玉など普段、家で食べる「おやつ」だと思っているんです。気張って作るものではなく気軽なもの。それに「おやつ」という言葉自体もあたたかくて好きなんです。

それから編集担当の方が初めからこの本のことを“おやつですよ”と呼んでいて、それが違和感なく私の中に入ってきて、本のタイトルというのはいつも最後までなかなか決まらなくて困るのですが、今回はすんなり決定していました。

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最初の本『もっちりシフォンさっくりクッキーどっしりケーキ――オーガニックなレシピノート』(文化出版局)以来、なかしまさんはバターを使わないお菓子を中心に提案してこられて、評判を呼びましたね。

なかしま

本の発売が、ちょうどスーパーでバターが品薄になるというタイミングでもあったんです、作っているときは全然そんなことは予x測していなかったのですが(笑)。単純にバターを抜くというのではなく、おいしい油を使うとこんなにおいしいものができる、というレシピを紹介したかった。バターを使わないイコールぼそぼそして味気ないけど仕方がない、というのが何だかいやだったんですね。油の中でもとくに好きなのが菜種油。丁寧に作られた菜種油はコクがあってとってもおいしい。もちろん、かならずそれでなくてはならないということはなくて、どのスーパーにも大体置いてある太白胡麻油(たいはくごまあぶら)でも代用できるんですよ。

実は以前、不規則な生活と偏った食事を続けていたために体調を崩してしまったことがありました。薬ももらったのですが、人間は食べるもので体が出来上がっていくのだから、食生活を変えれば体も変わるのではないかなと思い当たったんですね。それで、乳製品や白いお砂糖を控えて野菜中心の食事にしていったら、体調も整っていきました。もちろん全ての人に当てはまるかどうかは分からないのですが、そういう経験が反映されたレシピでもありました。

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そんな中、『おやつですよ』では、キャラメルやモカロールにバターも生クリームも使われていますね。

なかしま

『おやつですよ』にまとめたものは、どれも私が普段から食べている本当に好きなものばかりです。出版の話をいただいたのは、ちょうど、誰もが簡単に手に入る材料を使って普通に家で作っておいしいもの、自由に作って食べてまた作りたくなるもの、そういう本を形にできたら、と思っていた時期でした。もちろんバターや生クリームを使っているといっても、こってりどんどん使うということではなくて、砂糖も含め、あくまでそれぞれの材料は適量と思える量で、体に負担なくおいしく食べてもらえるようなものなんですよ。「おやつ」はごはんとごはんの間に食べるものだから、例えば夕飯の頃にはちゃんとまたお腹が空いているようなものがいいなと思っています。それをひとりでくつろぎながらでも家族と楽しくでも食べてもらえたらうれしいです。

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おやつですよ/なかしましほ