無理

奥田英朗

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登場人物紹介

相原友則(あいはら・とものり)

県庁職員だが、出向してケースワーカーとしてゆめの市の社会福祉事務所に勤務する32歳。生活保護の不正受給者や、弱者を主張する身勝手な市民に嫌気がさしている。妻の浮気が原因で1年前に離婚。主婦売春の現場を偶然目撃し、思わぬ深みにはまっていく。

久保史恵(くぼ・ふみえ)

県立向田高校2年。両親と弟の4人家族。退屈なゆめのを出て大学は東京へ行き、イケメンで金持ちの彼氏をつくろうと親友の和美と誓い合った。同じ予備校に通う北高の山本春樹にほのかな想いを抱いているが、ある日突然、予備校の帰りに何者かに拉致される。

加藤裕也(かとう・ゆうや)

向田電気保安センターの社員で、詐欺まがいの漏電遮断器を売りつけるセールスマン。23歳。商業高校中退、暴走族ホワイトスネークの元メンバーで、先輩の柴田に触発されて仕事が面白くなりつつある。離婚した妻との間に1歳2ヶ月になる息子・翔太がいる。

堀部妙子(ほりべ・たえこ)

夫と離婚、子供も独立して一人暮らしの48歳。昼間は「ドリームタウン」の地下にあるスーパーで万引き犯を捕捉する保安員として働いているが、生活は苦しい。仏教系の宗教団体「沙修会」の会員で、教祖の教えにすがることでなんとか暮らしている。

山本順一(やまもと・じゅんいち)

ゆめの市議会議員。町会議員だった父親の地盤を引き継ぎ、現在2期目の45歳。地元の山本土地開発社長でもある。妻・友代の浪費と飲酒が頭痛の種だが、自分も愛人を囲っているので目をつむっている。長男の春樹は東大を狙える成績なのが嬉しい。もっと大きな仕事がしたいと、県議会に打って出る腹づもりだ。

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