別册文藝春秋

2004年7月(252)号
6月8日発売 / 特価1500円(本体1429円)
掌篇小説館
筒井康隆「店じまい」
15年の歴史を終えたレストラン。「最後の晩餐」に、去来する思いとは――

重松清
「秘密基地に、午前零時」
同窓会で再会し、秘密基地に集うようになって一年。厄年を迎えた僕らに倦怠が忍び寄る
長野まゆみ
「よろづ春夏冬中」
朝顔市でひねくれて買った夕顔の鉢が齎した甘美な怪異……文月、葉月の香り高い掌握二篇

石田衣良
「アキハバラ@DEEP」
決戦の日を迎えたアキハバラのメンバー
聖夜の電気街に復習の幕があがった――
新連載
野中柊
「オニオングラタンスープ
─あなたのそばで─」
17歳の菜名と春生さんの初めての結婚記念日は、家で二人きりのゴハンのはずだった――
三羽省吾
「厭世フレーバー─十四歳─」
とにかくムカつく14歳の俺は決心した。体育祭で走って強さを見せつけてやる
■短篇
浅倉卓弥「向日葵の迷路」 吉田篤弘「空ばかり見ていた」
■長篇連載
中山可穂「ケッヘル」

北森鴻「深淵のガランス」

夢枕獏「ダライ・ラマの密使」
近藤史恵
「賢者はベンチで思索する」


三咲光郎「忘れ貝」

野沢尚「龍時 03-04」

新連載企画
宮城谷昌光「深更通信――
クラシック 未知なる名曲を求めて」


佐藤賢一
「褐色の文豪」
革命の高揚は去った――。文筆の名声にも心塞ぐデュマが出逢った運命の一冊とは

藤原伊織
「名残りの火
─てのひらの闇(2)─」
丸山の嘘に気づいた堀江は、柿島暴行の夜の真実を知るために夜道で彼を待ち伏せる

佐藤雅美
さりとはの分別者─縮尻鏡三郎─」
やっとめぐってきた普請請負の大仕事。が、旦那の急死でお家騒動。鏡三郎の差配は

■長篇連載
角田光代「対岸の彼女」

森福都「漆黒泉」

平安寿子
「くうねるところすむところ」


五十嵐貴久「TVJ」

榊東行「共同体の殺人」
宇佐美游「FOXY」

海月ルイ「十四番目の月」

池井戸潤
「オレたちバブル入行組」


香納諒一「贄の夜会」
■連載エッセイ等
杉田比呂美「五感のピクニック」
穂村弘「にょっ記」
吉村昭(井の頭だより)
「輝やく眼」
■コラム
[book trek]
畠中恵「百万の手」
貴志祐介「硝子のハンマー」

[癒しのスポット]
坂木司「『その辺』について」
[会心の買い物]
中村航「プーマのミラノ」