書店さんからの推薦文

“あの頃”が湧き水のごとく

子どものころ、心の中でずっと叫びつづけていたのに何もできなかった思い出、
きっとあなたにもあるはずです。
いつのまにか忘れてしまった“コドモのリクツ”
ちょっとだけ思い出してみませんか?
子どもじゃなかった大人なんて一人もいないんだから……

恭文堂 学芸大学店   菅原 豪さん

2008.10.24掲載

川にある小石のように

ハッピーエンドはない。かといって劇的に暗闇のまま終わるわけでもない。
重松 清の描く物語の終わりはいつも、ニュートラルだ。
ただとうとうと流れる河のようにそこにあって、見守っている存在。
「答え」は自分の中にしかないのだと。「答え」すらないときもあるのだと。
解っていてもどうしようもないこと、終わらせたくないこと。私たちの日常はそんなことで溢れている。
それでも生きていくのだと、また言われた気がする。

大垣書店 高槻店   山口沙耶香さん

2008.11.06掲載

心に響く秋の一幕

重松 清の作品は巧い。そしてずるい。読むごとに心が揺り動かされてしまう。
微笑ましく、懐かしい短編もある。切なく、寂しい短編もある。
自身の過去・現在・未来に照らし合わせているからか。
誰にでもありそうな秋の一幕。だからこそ心に響く。

三省堂書店 大宮店   杉山 学さん

2008.11.12掲載

『よーい、どん!』に共感したのは……

職場で降格された夫を見守る妻の立場からの話。
だけど夫のほうに共感しながら呼んでいた。彼との共通項はないけど、懐かしい。
どうやら、転んだ女の子を応援する彼の中に眠る思い出への共感だったみたいだ。
重松 清が描く大人は「昔、子どもだったことがある」大人で、それがたまらない。

八文字屋書店 泉店   北島麻理さん

2008.11.19掲載