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――人気エッセイシリーズ「我が老後」の第五弾、『それからどうなる』が刊行されます。初めて「オール讀物」に「我が老後」が掲載されたのが一九九〇年。以来、『我が老後』『なんでこうなるの』『だからこうなるの』『そして、こうなった』と次々と単行本化されてきました。改めて拝読して思ったのですが、佐藤さんのところには、どうしてこう変な人が次々と現れてくるんでしょう。
佐藤 ほんとにねえ。まあ類をもって聚(あつま)るというか、我ながら不思議ですね。
――百万円貸したらドロンした治療師のKさんとか、お手伝いになりたいといって押し掛けてきた女性とか……。
佐藤 ああ、あの女性(ひと)は普通じゃなかったですね。ちゃんとした人は、自分を守るためにそういうのは追っ払うんですよ。それを私は面白がるから、追っ払えないんですよ。それがすべての不幸の始まりなの(笑)。
――読者からも妙な電話がかかってきます。
佐藤 読者からの電話は多いですね。どこの作家のところにもかかっていると思うんですが、普通は断りますよ。電話の話しぶりで、これはおかしいと思ったら、相手になんかしないでしょ。会いに行きたいといっても、いらっしゃいなんて言わないですよ、忙しい作家は(笑)。
――「佐藤愛子様方 王サマの耳はロバの耳係御中」なんてハガキも舞い込んできます。
佐藤 ああ、無記名のハガキね。もう何年か前から時々送られてくるんだけど、書いてくるのは決まって義母と義妹の悪口なんですよ(笑)。
――めったにお目にかかれる人種じゃありませんよ。こういう人たちになつかれるというのは、やはり佐藤さんの人徳じゃないでしょうか。
佐藤 まあ、この頃は一時ほどではなくなったけど、まるで神様のお恵みのように、次々と変わった人が現れたというのはほんとですね。
――奇人・変人が神様のお恵みですか。
佐藤 やっぱりネタですよ。損させられたりひどい目にあってもね、しめた、これ書けると(笑)。でも私は、あんまり誇張はしていないんですよ。ですから読者も、私のことを正直に書く人だというふうに思うらしいんですね。心霊体験を書いたときも(『私の遺言』新潮社)、ずいぶんたくさん読者から手紙をもらったんだけど、佐藤さんが言うから信じるっていうのがとっても多くてねえ。いつもほんとのことを書いてるんですよ、私は。
血筋が生んだ「怒りの愛子」
――このシリーズの中でも、佐藤さんはよく怒っていらっしゃいます。「怒りの愛子」は昔からですか。
佐藤 佐藤家というのは年中、怒っている一家ですからね、私の父とか祖父とかなんて、もうほんとにひどいものでしたから。兄のハチローも、よく怒る人でした。私は普通だったんですよ。それが、いつからか佐藤愛子はよく怒る人間だということになって、それで書くようになったんですよ、世間の評判を聞いて(笑)。
――佐藤さんは一族の中ではまだ穏やかなほうなんですか。
佐藤 そう思いますよ。だいたい佐藤家においては、怒るってことは別に悪いことではなかったんですよ。それが普通だったのよ、全員そうだから。そのうち、世間とはだいぶ違う家だったということに気がつきましたけど(笑)。
――『私の遺言』には、その佐藤家の因縁の一部始終が書かれています。
佐藤 佐藤家の因縁というのはものすごいものです。これは美輪(明宏)さんに言われたんですが、ほんとは紅緑がそれを鎮める立場であったのに、それをやらずに、因縁を増やすようなことばっかりしたと。息子のハチローもそれをしなかった。それで私の肩にすべてかかってきたんだと、そう美輪さんに言われました。 |
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