
『神々の乱心』を読み解く
清張さんを道案内に宮中の奥深くに入る
最新の天皇研究をリードする著者が、松本清張が自らの総決算を意図した遺作を手がかりに、日本人にとって、天皇制とは何かを探る
『昭和天皇』で第12回司馬遼太郎賞を受賞した原武史さんの天皇研究の出発点は、新聞記者時代の昭和天皇報道でした。その後、『大正天皇』を出版したあと出会った松本清張さんの遺作長篇小説『神々の乱心』(文春文庫)に衝撃を受けます。『昭和史発掘』の昔から最晩年にいたるまで、清張さんはこんなに大胆で、最先端をゆく天皇論を小説やノンフィクションとして書いていたのか、と。『神々の乱心』を10回以上精読し、そこにこめられた「松本清張と天皇制」の秘密に迫ったのが本書です。(HH)