
私はまだ“本当の自分”と出会っていない
女としての人生が終わる前に性愛を極める恋がしてみたい。35歳の脚本家・高遠奈津の性の彷徨が問いかける夫婦、男、自分自身
“もういちど誰かとめくるめく恋がしたい。性愛をともなう、相手のことを考えただけで、吐息まで乱れてしまうような”――これが村山由佳さんの新しいヒロイン・奈津の心の声でした。35歳。売れっ子シナリオライターとして活躍しながらも家庭での夫の支配的な態度に萎縮する日々を送っていた奈津は、年上の敬愛する演出家との情事を機に自らの女としての人生に目覚めていきます。彼女が通過していく男たちも今まで村山さんの小説には見られなかった生々しい姿をそれぞれさらけ出す、迫力の長篇となりました。著者の野心的挑戦作。読み逃せない1冊です。(OY)