
遠いいつか、あなたとも、会えるのね
失踪した夫の日記には、ただ一言「真鶴」と記されていた。不在の夫を思いつつ、恋人と付き合う京。「存在とは何か」を問う傑作長篇
失踪した夫の日記にただ一言記されていた「真鶴」の文字。それにひかれるように、京(けい)は真鶴に足を運びます。十年以上も行方不明の夫を思いながらも京は恋人と付き合い一人娘を育てます。娘の成長に戸惑い、恋人との関係に悩む一方で「いない者」を強く感じ続ける京の心の揺れ動きは「存在とは何か」ということを考えさせられます。常に新しい世界を覗かせてくれる川上弘美さんにとっても「ターニングポイントになるかもしれない」という期待の大作です。(TA)