
幕末の大地震を巡る江戸の人々の悲喜こもごも
夫婦、恩人、子供、親,忘れえぬ人──江戸で互いに身を寄せ合いながら暮らす庶民たちの細やかな情愛が、大地震によって交錯する
天下の大都市・江戸を、M7近くもの大地震が直撃したのは、黒船襲来直後、不穏な雰囲気の渦巻く安政二年十月のことでした。死者・行方不明者は一万人とも言われ、互いに身を寄せ合いながら暮らしていた江戸の人々は、大天災と前後して生活が一変する様々な出来事に遭遇します。 ある者にとっての奇跡、ある者にとっての不幸、ある者にとっての再生――当時「世直し地震」とも言われた、この江戸の大地震を巡る悲喜こもごもが、熟練の筆致で細やかに描かれた連作集です。(KM)